中絶反対のナンバープレート交付に違憲判決 米ノースカロライナ
(CNN) 米ノースカロライナ州当局が人工妊娠中絶反対のスローガン入りのナンバープレートを交付するのは言論の自由に反するとして、市民団体が交付停止を求めた裁判で、連邦地裁は12日までに、原告側の主張を認める判決を下した。
問題のナンバープレートには、中絶の是非を巡る論争で反対派が掲げるスローガンのひとつ、「Choose Life」(「命を優先せよ」の意味)の文字が入っている。同州議会で昨年、交付を認める法案が可決されていた。このプレートによる収益を中絶反対派の非営利組織(NPO)に寄付するとの条項も盛り込まれた。
これに対して米自由人権協会(ACLU)が、中絶容認派に同様の表現手段が提供されないのは差別であり、合衆国憲法が定める言論の自由に反するとして訴えを起こしていた。
裁判所は、州が中絶容認派のための代替手段なしに中絶反対のナンバープレートを提供することは、「合衆国憲法修正第1条に違反し、見解による差別にあたる」と判断した。
CNNの系列局WRALによると、違憲判決を受け、ナンバープレート交付を提案した共和党議員は上訴の構えを示している。
州議会では法案審議の過程で、中絶容認派のスローガンを書いたナンバープレートを作るとの修正案が出されたものの、否決されていた。
Choose Lifeのナンバープレート普及に取り組むNPOによると、同様のプレートは現在、全米29州で入手可能だという。