シーグライダー、船と飛行機のハイブリッドが都市間交通を変える可能性

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
リージェントはシーグライダーを全く新しいカテゴリーの乗り物と位置付ける/REGENT

リージェントはシーグライダーを全く新しいカテゴリーの乗り物と位置付ける/REGENT

高速で化石燃料不要

シーグライダーは、地面効果と水中翼という2つの技術を組み合わせており、地面効果翼機のデメリットの一部に対処しつつ、その重要な長所を残したハイブリッドだ。

水中翼船(ハイドロフォイル)は、船体を海面上に持ち上げた状態で航行する高速ボートだ。船底から突き出た支柱が水中翼とつながり、航行中はこの水中翼が水と接触している。この翼によって水の抵抗を最小限に抑えつつ、船体を持ち上げて安定させる仕組みだ。

シーグライダーは格納可能な水中翼を備え、航行している場所に応じて機体の構造が変化する。港のような狭い水域では、操縦しやすいように水中翼船として航行するが、広い海に出ると、水中翼を格納し、完全な地面効果翼機として海面上を飛行する。水中翼はシーグライダーが飛行モードに入るために加速している間、船体が波の動きから影響を受けないようにする役割も果たす。

シーグライダーのもうひとつ興味深い新しい要素は、当初から全てを電気で賄う完全電気式ということだ。

バッテリーの限界から、シーグライダーは現時点では短距離の旅に適した乗り物となる/REGENT
バッテリーの限界から、シーグライダーは現時点では短距離の旅に適した乗り物となる/REGENT

リージェントの創業者たちは、初期の電動垂直離着陸機(eVTOL)業界で働いていた時、現在のバッテリー技術の限界に気付いた。1都市内での運用を目的として設計されたアーバン・エア・モビリティー(都市航空交通)への電力供給は可能だが、エネルギー密度の低い現在のバッテリーでは、完全な電動機の運用は非常に短い距離に限られ、距離を延ばすことは極めて困難だ。

そこで彼らは、バッテリー技術がニーズに追いつくのを待つ必要もなく、主要都市間を結べる高速かつ化石燃料不要の代替輸送手段として地面効果翼機に着目した。

電化輸送ネットワーク

地面効果翼機は船舶と見なされるため、海事規制の対象であり、航空機と同じ運用上や規制上の制約は受けない。

例えば、地面効果翼機は、離水時にバッテリーを消耗する持続的上昇を行う必要はなく、45分間飛行できるだけの予備動力の保持も義務付けられていない。それらのメリットから、地面効果翼機の設計者らが技術的限界に挑める余地が広がった。

「のりものだいすき」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]