スノボ中に雪崩、緊迫の現場を巻き込まれた本人が撮影 米コロラド州
(CNN) 米コロラド州の山でスノーボード中に雪崩に襲われた男性が、その現場を撮影した。本人にけがはなく、奇跡的に助かった。
同州デンバー在住のモーリス・カービンさん(25)は、仮想通貨投資を手掛けるアマチュアのスノーボーダー。今月8日にデンバーから西へ約80キロ離れた山へ出掛けた。
最初に異変に気付いたのは滑り始めた直後、足元にクモの巣のような亀裂が走るのを見た時だという。雪に引きずり下ろされかけて、その下に埋まるのを防ぐため、バックパックに搭載されたエアバッグを展開させた。
ビデオには、空気が一気に噴き出すようなヒューという音が入っている。雪が襲い掛かり、カービンさんは300メートルほど転がり落ちた。小さながけから落ちた後、なんとか両足を雪の上に出すことができ、雪面の上を滑りながら止まった。見回すと、雪崩の動きはまだ続いていたという。「大丈夫、大丈夫」と繰り返すカービンさんの声も収録されている。
カービンさんはこの日、危険な気象条件を認識していたため、仲間と2人で頂上まで約3.2キロ、雪の状態を調べながら登った。安全に滑降できると判断したが、「そうでなかったことは明らかだ」と振り返る。
コロラド雪崩情報センター(CAIC)がまとめた過去10年のデータによると、全米で毎年平均27人が雪崩事故により死亡している。雪崩事故の9割は人為的に発生しているという。
CAICのグリーン所長はCNNとのインタビューで、山へ行く前に天気予報や雪崩情報をよく調べ、救難用のトランシーバーやスコップなどの装備を怠らないことが重要だと指摘。雪崩発生後の雪はコンクリートのように固く、埋まってしまうと自力では脱出できないと強調した。