万里の長城の観光客、ドローンで飲食物など受け取り可能に 美団が配送ルート開設
香港(CNN) 中国の食品宅配大手「美団」は23日までに、万里の長城の遠く離れた場所にいる顧客に飲食物や医薬品などの商品を届けるドローン(無人機)サービスを発表した。
これは北京初となるドローンサービスであり、中国全土で急成長しているドローン配送事業に加わることになる。民間消費者向けドローンの世界最大の製造・輸出国である中国ではドローン配送が都市部の住民とアクセスの難しい地方に住む人々の両方に利便性をもたらしている。
万里の長城でのドローンの配送ルートは、近くのホテルの屋上から八達嶺長城南城の延長線にある望楼にまで及ぶ。八達嶺長城は北京郊外に位置し、中国北部を蛇行する万里の長城で最も人気のある観光名所だ。
昨年公開されたこの延長線は、城壁の状態を保存しており、夏は例年、うだるような暑さに見舞われるものの商業施設は設けられていない。
美団によると、だからこそドローンが役立つ。同社の広報責任者は中国国営中央テレビ(CCTV)に対し、徒歩で50分かかる距離でもドローンなら5分で移動でき、熱中症対策用品や緊急物資を観光客に届けることができると語った。
ホテルの屋上から操縦士が発射したドローン/Huang Liang/Beijing Youth Daily/VCG/Getty Images
ドローンは中程度の風雨でも飛行でき、1回の飛行で最大2.3キロの荷物を運ぶことができる。
国営紙・北京青年報によると、ドローンによる配送料金はわずか4元(約82円)で、美団の通常の配送料金と同じ。