中国ネット検閲で人気ライブ配信が中断、ファンの若者が天安門事件に関心持つ「逆効果」

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戦車の前に立ちふさがる「タンクマン」の画像は天安門事件を象徴するイメージとされる/Anthony Wallace/AFP/Getty Images

戦車の前に立ちふさがる「タンクマン」の画像は天安門事件を象徴するイメージとされる/Anthony Wallace/AFP/Getty Images

CNNは李氏の事務所や、ウォールズを傘下に持つ英ユニリーバ、タオバオ親会社のアリババにコメントを求めている。

ウェイボーでは、李氏の番組中断と戦車の形のアイスクリームを関連付けた投稿やコメントが拡散し始めた。中国のネット検閲をすり抜けて天安門事件を「あの出来事」と形容することで、戦車の象徴がどれほど慎重な扱いを要する問題だったかを知ったというファンもいた。この問題は検閲の目をかいくぐって隠し言葉で論議され、そうした投稿の多くは掲載後間もなく消滅した。

ネット上に残された投稿は、弾圧のことを知ったとしても「我々の(共産)党を信頼し、国家を信頼する」といった内容だった。李氏が「資本主義者」や「外国勢力」にはめられたらしい、という投稿もあった。

中国の検閲に詳しい米ニュースサイト、チャイナ・デジタル・タイムズの専門家エリック・リウ氏によると、中国政府は難しい立場に立たされている。もし李氏の名を完全に検閲すれば、この問題に対する注目はさらに高まる。そのためウェイボーは大量の人力を集め、李氏に言及した投稿を全て手作業で検閲しなければならなかった。

リウ氏はこの現象について、情報の隠蔽(いんぺい)を狙った結果、意に反して逆に注目を集めてしまう「ストライサンド効果」だと指摘。「検閲とは、真実を大衆から隠すことに尽きる。だがもし人々がそのことについて知らなければ、今回のような『間違い』は必ず起きる」と話している。

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