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エリオット・ペイジが米タイム誌の表紙に、トランス男性で初

俳優のエリオット・ペイジさんがトランス男性として初めて米タイム誌の表紙に

俳優のエリオット・ペイジさんがトランス男性として初めて米タイム誌の表紙に/Courtesy TIME

カナダの俳優、エリオット・ペイジさん(34)が、トランスジェンダーの男性として初めて米タイム誌の表紙を飾った。同誌とのインタビューでは、昨年トランスジェンダーであると公表した自らの決断について明かしている。

ペイジさんは、これまで「インセプション」や「X―MEN」シリーズなどの映画作品に出演してきた。次号のタイム誌の表紙にはペイジさんの写真が掲載される。見出しには「I’m fully who I am(完全にありのままの自分)」の文字が入る。

ペイジさんが本格的なインタビューを受けるのは、昨年12月に自らの性自認を公表してから初めてとなる。タイム誌記者のケーティ・スタインメッツ氏に答える形で、公表に対して寄せられた様々な反応について語った。公表はインスタグラムで行い、その中で自分を指す代名詞は「he(彼)」と「they(彼ら)」であると伝えていた。

記事によるとペイジさんは「予想していたのは多くの支えと愛情。それから大量の憎しみとトランスジェンダー嫌いの感情だった」「実際その通りになった」と話したという。

2008年の「JUNО/ジュノ」でアカデミー賞にノミネートされたペイジさんは、自らの子ども時代についても語った。幼いころから自分を「男の子のように感じて」おり、9歳の時に髪を短く切っていいといわれたときには「勝利した感覚を覚えた」と振り返った。

ゲイであることは14年に公表した。インタビューでは、胸部の手術を受けた経験にも言及。術後の変化について「人生が全く別のものになった」と説明した。続いてトランスジェンダーの平等をめぐる困難や、エンターテインメント業界に存在する「有無を言わさぬ規範」、「男らしさや女らしさについてのステレオタイプの蔓延(まんえん)」などを語った。

「とてつもなく影響力のある人たちが、そうした通説や有害なフレーズを広めている。毎日、世間は私たちの存在が議論の的になっているのを目にする」「トランスジェンダーの人々はそのように、紛れもなく実在している」(ペイジさん)

2019年のペイジさん。この時から1年以上たち、自らの性自認を公表した/Rich Polk/Getty Images
2019年のペイジさん。この時から1年以上たち、自らの性自認を公表した/Rich Polk/Getty Images

表紙の写真はトランスジェンダーの写真家、ウィン・ニール氏が撮影した。同氏はその写真を16日に自身のインスタグラムに掲載。撮影を「夢のような仕事」と形容した。

また写真のキャプションに「こういう写真を望んでいた。このために何年も仕事をしてきた」「エリオットをとても誇りに思うし、トランスジェンダーの先輩たちに大変感謝している。こうした人たちがすべてをかけてくれたおかげで、今のこの瞬間がある」と記した。

ペイジさんも自らのインスタグラムに表紙の写真を投稿し、キャプションに以下のような言葉を寄せた。「私の前を歩いた人たちに深い敬意を、私を支えてくれた人たちに感謝を、そして若い世代のトランスジェンダーに大きな懸念を抱く。私たちがみんなを守らなくてはならない。どうか私とともに、トランスジェンダーに反対する法律への非難の声を上げてほしい。あらゆる形の憎悪や差別を糾弾してほしい」

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