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史上最高額のダビンチ絵画、8割は助手の筆か 英専門家

レオナルド・ダビンチの名画「サルバトール・ムンディ」(世界の救世主)

レオナルド・ダビンチの名画「サルバトール・ムンディ」(世界の救世主)

史上最高額で落札されて話題になったイタリアの巨匠レオナルド・ダビンチの名画「サルバトール・ムンディ」(世界の救世主)は、作品の大半の部分をダビンチ本人ではなく助手が描いていた――英オックスフォード大学に籍を置く美術史家がこのほどそうした見解を明らかにした。

サルバトール・ムンディは、ルネサンス期の服装をまとったイエス・キリストを描いた作品。昨年11月に米ニューヨークで開かれたオークションで、絵画としては史上最高額の4億5030万ドル(現在のレートで約500億円)で落札されて注目を浴びていた。

ダビンチについて研究するオックスフォード大学のマシュー・ランドラス博士はこのほど電話インタビューに答え、サルバトール・ムンディについて、ダビンチの工房で助手を務めていた別の芸術家が作品の大部分を描いたとの見方を示した。ダビンチ本人が手掛けたのは事前のデザインとキリストの手や顔といった部分の仕上げのみで、作品全体の20~30%にとどまるという。

ランドラス氏は残りの部分の制作スタイルを分析し、当時工房にいたベルナルディーノ・ルイーニという画家の特徴に最も近いと結論。「(サルバトール・ムンディは)ダビンチが工房の助手らの手を借りて描いた作品で、ベルナルディーノ・ルイーニの協力がとりわけ顕著だ」「ルイーニの他の作品を見れば、サルバトール・ムンディに極めて近い特徴が確実に見て取れる」と述べた。

Credit: Carl Court/Getty Images Europe/Getty Images
Credit: Carl Court/Getty Images Europe/Getty Images

ベルナルディーノ・ルイーニは北イタリアの画家で1480年ごろ生まれた。ダビンチの作風を取り入れ、キリスト教をテーマにした作品を主に描いたことで知られる。昨年ロンドンで行われたオークションでは、ルイーニ作の宗教画が17万3000ポンド(現在のレートで約2500万円)で落札された。

サルバトール・ムンディが描かれた当時は、画家が工房の助手らと協力して作品を制作することは一般的な慣習だった。現代人は作品が特定の画家に帰属するものと考えがちだが、「当時の伝統として、工房全体が制作に協力していた」とランドラス氏は説明した。

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