プールの中から見渡せば、どちらを向いてもロンドンの街が広がる――。水面と周囲の風景がとけ合って見える「インフィニティープール」を屋上に備えた、55階建てビルの建設案が発表された。
各地でプール建設を手掛けるコンパス・プール社が設計し、「インフィニティー・ロンドン」と名付けた。360度のインフィニティープールを備えた世界でただ一つのビルになるという。
プールはアクリル板で作られ、容積は60万リットル。側面と底面が透明で、泳いでいる人の姿が下から見える。
プールやビルの外側に階段はなく、泳ぎたい人はプールの底面から立ち上がるらせん階段を使う。
プールはアクリル製の板を用い側面や底面が透明に/from Compass Pools
設計責任者によると、プールへの出入りをどうするかは最大の課題だった。潜水艦のドアとらせん階段を組み合わせる発想で課題を克服するという。
夜になるとビル全体の電飾が光り、その先にプールがきらめいてトーチのように見えるようになる。
プールには風速計をはめ込み、コンピューター制御のビル管理システムとも連動させて水温や水位を調節。下を通る道路に水がこぼれるような事態を防ぐ。中の水を加熱するには、ビルの空調システムから発生するエネルギーを利用する。
プールの下の高層階には5つ星のホテルが入る予定。請負業者などが確定すれば、2020年にも建設工事が始まる見通しだという。