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日本の孤独な自動販売機 その「美」を写真に捉える

北海道南端の浦河町にある自販機

北海道南端の浦河町にある自販機

(CNN) 自動販売機は日本文化の定番だ。国内に550万台以上あり、割合は国民23人あたり1台と世界最高水準になっている。

自販機は至る所にあり、設置場所はほぼ常に屋外だ。このため、日本を訪問する人の目には直ちに飛び込んでくる。かなり変わった商品も含め、ほぼ何でも売っている。ただ、大半の自販機には冷たい飲み物や温かい飲み物が詰まっており、中には「ポカリスエット」や「カルピスウォーター」のように面白い英語名の商品もある。

夜になっても電源が切れることはなく、むしろ鮮やかな色彩と明るい光を放って本領を発揮する。

写真家の大橋英児氏は数年をかけ、日本全国で深夜に自販機を撮影してきた。そして、これらの写真を「Roadside Lights」と題した本にまとめた。

大橋氏にとって自販機はかつて、「灯台」の役割を果たしていた。大橋氏によれば、このプロジェクトを始めたきっかけは、夜のシフトから帰ってきた際、自宅の近くで光を放つ自販機に気付いた時のことだという。「当時、冬の間ひどい吹雪に見舞われる日本北部の街に住んでいた。こうした状況の中で車を走らせつつ、自販機の光をガイド用に使っていた」という。

日本文化はプロセスへの深い認識がある。どう並ぶのか、どう髪を切るのか、どうトイレを使うのか、いたるところに説明のサインが出ている。

自動販売機もそんなふうに確実性を提供してくれる。自動販売機のメカニズムによって許可される実行可能な動きはただ一つ。スマートフォンのように、個人的なやりとりからも守ってくれる。そのサービスは伝統に根ざしてもいる。地方の道路脇では今でも、農家が果物や野菜などを販売するための木製の無人の売店を見かけることがある。釣銭なしの代金を残して品物を購入する仕組みだ。

これは恐らく、世界でも最低水準の犯罪率を誇る国でしか機能しないだろう。同様に、日本の自販機はめったに盗まれたり、略奪に遭ったりしない。実際、自販機はよく整備されており、いつでも動く。これがさらなる消費者の満足度につながっている。

雪に埋もれた自販機=2016年12月4日、札幌
雪に埋もれた自販機=2016年12月4日、札幌

大橋氏の考えでは、自販機の人気の背景にある理由のひとつはこれだ。「自販機はどこにでも置くことができ、盗まれたり、損壊されたりすることはない」「さらに、定期的に整備されているため雪に埋もれた時でも動く。これは日本人がいかにきちょうめんかを示している」と話す。

自販機の人気のもうひとつの理由として、日本人が利便性を好んでいることに言及。「自販機が街の景観を乱す場合があると考えている人が日本にいるとは思えない。我々は常に、生活をより便利にする方法を考えている。自販機はそのことの象徴だと思う」と述べた。

興味深いことに大橋氏は、自販機の多くは同一に見えると主張する。「自販機の形や、販売している商品は日本全国どこでもよく似ている」

背景に羊蹄山をとらえたこの写真は、大橋氏のお気に入りの1枚だ=北海道倶知安町
背景に羊蹄山をとらえたこの写真は、大橋氏のお気に入りの1枚だ=北海道倶知安町

大橋氏はそのうえで、自販機がどこでも同じ形状であることが、国内各地を旅行する人々にとってある種の安心感をもたらしている可能性もあると示唆。自販機の画一的な形状をとらえたかったとし、「地域間の違いに関しては、自販機の周囲の光景を通じて見て取ることができると思った」と話す。

大橋氏の写真は、遠隔地にある自販機の夜間の様子を示すことで孤独の感覚を伝えている。大橋氏が自身のお気に入りとして挙げる写真には、かつて2台あった場所に1台だけたたずむ自販機を背景に、雪をかぶった羊蹄山が収められている。「売り上げが低迷して、1台は撤去された」のだという。

「ある意味、私は現代人を自販機になぞらえているのだと思う。日常生活においては我々も、吹雪に耐えることはできても最終的には報われない自販機のような存在だ」

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