格納庫に眠る2機目のAn225、世界最大の未完成機に迫る

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ウクライナの首都キエフ郊外にある巨大な格納庫には、未完成のアントノフ225型機が眠っている/Pavlo Fedykovych
写真特集:世界最大の未完成機、2機目のAn225

ウクライナの首都キエフ郊外にある巨大な格納庫には、未完成のアントノフ225型機が眠っている/Pavlo Fedykovych

ウクライナ・キエフ(CNN) ウクライナの首都キエフの郊外。地下鉄ニブキ駅とスビアトシン駅の間に、地味な産業用の建物がある。そこに大きな秘密が眠っているとは思いもよらず、何度も車で通り過ぎてしまいそうな外観だ。

建物の内部では、ソ連航空産業による偉大な構想の未完の章を目の当たりにすることができる。外から見て唯一手がかりとなるのは、建物の巨大なサイズだ。

建物が巨大なのには理由がある。世界最大の未完成機を格納しているためだ。

この航空機は「アントノフAn225」。冷戦末期にソ連の技術者が構想した機材で、共産圏の宇宙進出を後押しするとともに、東側諸国による空の支配を確立する原動力になるはずだった。

  
      
アントノフAn225は「世界最大」の航空機だ

ただ、完成にこぎ着けたAn225は1機だけ。「ムリーヤ」(ウクライナ語で「夢」)というロマンあふれる名前を与えられて1988年に初飛行を行い、今日に至るまで稼働している。

2機目の姉妹機についても製造は始まった。だが、ムリーヤが航空関係の世界記録を次々と塗り替える一方、姉妹機の方はいまだ組み立てが完了しておらず、離陸を夢見るばかりの状況だ。

ムリーヤの知られざる姉妹機の運命には、ソ連崩壊後の激動のウクライナ現代史の中で翻弄(ほんろう)された巨大な野心と、それに輪をかけて大きな挫折をめぐる魅力的な物語が詰まっている。

ただし物語はまだ終わっていない。アントノフ社は依然、2機目のAn225の離陸に向けて楽観的な見通しを描いている。そんな同社がこのほど、CNNに未完成機の独占取材を許可した。

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