1000年前の石棺のふた開ける、11世紀の大司教の遺体か 独

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

1000年前の石棺のふた開ける瞬間

(CNN) ドイツ西部マインツでこのほど、考古学チームが教会で見つかった1000年前の石棺を開けることに成功した。中からは分解が進んだ遺体が発見され、11世紀に亡くなった大司教である可能性が指摘されている。

発掘作業は市有数の歴史を持つ聖ヨハニス教会で行われた。この教会では2017年、床下で石棺の角が露出しているのが見つかっていた。

数カ月にわたる準備と慎重な発掘作業の末、考古学チームは4日、滑車装置を使って重さ700キロの石のふたを開けることに成功した。

見つかった遺体は1011年から21年の死去までマインツ大司教を務めたエルカンバルトの遺体である可能性がある/Andreas Arnold/dpa/AP
見つかった遺体は1011年から21年の死去までマインツ大司教を務めたエルカンバルトの遺体である可能性がある/Andreas Arnold/dpa/AP

チームを率いるグイド・ファカーニ氏は「長い準備の末にふたが開いた」「唯一無二の瞬間だった。布の切れ端が数多く入っているのがすぐ見つかった」と語った。

マインツ地区の教会幹部は記者会見で、教会の全員が「(米映画主人公の)インディアナ・ジョーンズのような気分になった」と説明。ヘッセン・ナッサウ福音主義教会のトップは「とても興奮したが、同時に宗教的な感動もある」と述べた。

ただ、石棺内の遺骨は完全に朽ちた状態だった。ファカーニ氏は「歯さえ見つからなかった」と明かし、「腐敗を加速させる目的で埋葬時に生石灰をかけた可能性が高い」との見方を示す。

骨には炭素年代測定やDNA鑑定が行われる予定/Andreas Arnold/dpa/AP
骨には炭素年代測定やDNA鑑定が行われる予定/Andreas Arnold/dpa/AP

石棺内で見つかった布のサンプルは、年代特定のため専門家のもとに送られる。遺骨と組織についても、炭素年代測定とDNA鑑定が行われる予定。

専門家は石棺内の遺体について、祭壇に向き合う身廊中央部で見つかったことから、聖職者のものではないかと見ている。1011年から21年の死去までマインツ大司教を務めたエルカンバルトの遺体である可能性もある。

ただし研究者は、身元や年代の特定にはさらなる研究が必要になると注意を促している。

「サイエンス」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]