増える女性候補、男性多数の議会を変えるか 参院選

参院選で多くの女性議員の誕生はなるか/Buddhika Weerasinghe/Getty Images AsiaPac/Getty Images

参院選で多くの女性議員の誕生はなるか/Buddhika Weerasinghe/Getty Images AsiaPac/Getty Images

(CNN) 世界で最も不平等な議会の一つにより多くの女性議員が誕生するか。その可能性はあるかもしれないし、ないかもしれない。

124議席を争う21日の参議院議員通常選挙で女性候補者の割合は過去最多となった。参議院は3年ごとに半数が改選され、今回は定数が3つ増えている。

NHKによると、合計370人の候補者のうち女性は104人と3割近くに上る。

参院選の各政党の候補者数。赤い丸は女性候補者を示す/CNN
参院選の各政党の候補者数。赤い丸は女性候補者を示す/CNN

女性候補者の増加は男女平等の推進者にとっては希望が持てる状況に見えるが、もし与党自由民主党が議席を維持すれば結果はほとんど変わらないものになるだろう。

その理由は女性候補者の多くが立憲民主党や日本共産党など左派の少数政党にいるためだ。

自民党は立憲民主党と共産党の候補者数の合計と同じ数の候補者を擁立しているが、女性の比率は14.6%に過ぎない。

もし参議院の議席が現在の党別の構成比率を維持するならば、女性議員は全体の約21%となり、現状とほぼ変わらない。ただ、衆議院の女性議員の比率10%にくらべればだいぶましな状況だ。

改選前の参議院の各政党別の議席数。女性の議席は黒い太線で表示/CNN
改選前の参議院の各政党別の議席数。女性の議席は黒い太線で表示/CNN

安倍政権下で、日本は先進20カ国・地域(G20)の中で最も女性議員の比率が低く、世界でも最低レベルとなっている。

「ウーマノミクス」を通じて男女間のギャップ改善を唱えていた安倍首相だが、2017年の衆議院選後には女性閣僚を1人しか指名しなかった。

昨年、各政党に選挙の候補者数を男女均等にするように求める候補者男女均等法が成立したが、政党がそれを満たさなくても罰則はない。

内閣府男女共同参画局のデータによると、地方議会の女性議員比率は、17年12月時点で政令指定都市の市議会で17.2%、市議会全体で14.4%。さらに低いのは都道府県議会と町村議会で、それぞれ10.1%、9.9%となっている。

同局関係者は今年3月、CNNの取材に対し、日本の女性議員は「政治は男性が関わるもの」との一般的な考え方と戦う必要があり、さらに家庭生活と政治生活の両輪を回すという障壁にも直面すると語った。

街頭演説を行う安倍首相=7日、千葉/Tomohiro Ohsumi/Getty Images AsiaPac/Getty Images
街頭演説を行う安倍首相=7日、千葉/Tomohiro Ohsumi/Getty Images AsiaPac/Getty Images

分裂する野党

野党が大勝すれば政治的にも男女比率でも大きな変革が起きうるが、世論調査の結果からはそれは起きそうにもなさそうだ。

共同通信の世論調査によると、自民党が選挙戦終盤で支持率を上げ、全国的に31%の支持を獲得。主要野党の立憲民主党は7.2%で水をあけられている。日本経済新聞の世論調査でも自民党の勝利が予測されている。

英経済誌「エコノミスト」の調査部門、エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのアナリストによると、自民党の人気は野党の分裂と、安定した経済、政治運営の実績が要因だという。

野党は支配的な自民党への対抗勢力としての地位を獲得しようと、統一候補を立てて票が割れるのを防ごうとしている。だが、世論調査の結果はその効果が限られていることを示している。

日本の政治は旧民主党の分裂の余波を引きずっている。旧民主党勢力は数年間の混乱を経て分裂。17年には小池百合子東京都知事が率いる右派の希望の党と立憲民主党に分かれた。同年の衆議院総選挙で希望の党は議席を増やせず、自民党が勢力を維持した。

安倍首相は今回の参院選で、世論調査の数値が正しく、反自民の票が割れることを願っているだろう。そうすれば、衆参両院のコントロールを固めて、長年訴えてきた憲法改正の道が開ける。

憲法改正の困難な道

安倍首相は20年までに憲法改正を実現したいと訴えてきた。第2次世界大戦後に成立した日本の憲法は、軍隊の保持を禁じる文言が含まれており、改憲提案は日本のアイデンティティーの核を揺るがすものとなっている。

現行憲法は、日本が第2次大戦で連合国に敗北した後の1947年に施行された。第9条は「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とうたっている。

だが、日本は自衛隊として知られる大規模な軍隊を維持している。安倍首相や改憲を支持する人々は、憲法の規定と自衛隊の存在に矛盾があると主張する。

安倍首相は憲法施行70年の節目となる2017年に、自分たちの世代のうちに自衛隊の存在を憲法上に位置付け、自衛隊が違憲かもしれないという議論の余地をなくす必要があるとの認識を示した。また、20年を新たな日本がスタートを切る年にしたいとも語った。

憲法改正の国民投票を行うためには、衆参両院で3分の2以上の賛成を得る必要がある。安倍政権は既に衆議院ではこの数を確保しており、21日の参院選の結果次第では参議院でもこの数を満たす可能性がある。

ただ、憲法改正は安倍首相や自民党右派の優先事項である一方、他の政党の多くは断固反対している。現行憲法は日本の戦前及び戦中の拡大主義と軍国主義を受けた内容となっており、長年日本が誇りとしてきた部分でもある。

国民が憲法改正を支持するかも不透明だ。NHKによれば、最近の世論調査で改憲に賛成する人は27%、反対派は30%だった。

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