米映画監督のピーター・ボグダノビッチ氏が死去 82歳 アカデミー賞ノミネートの「ラスト・ショー」など
(CNN) 米アカデミー賞にノミネートされた「ラスト・ショー」や「ペーパー・ムーン」などの作品で知られる映画監督のピーター・ボグダノビッチ氏が死去した。82歳だった。
複数のメディアが娘のアントニアさんの発言を引用して報じた。
アントニアさんはハリウッド・リポーター誌に対し、ボグダノビッチ氏がロサンゼルスの自宅で自然死により亡くなったと語った。この後、同氏の代理人が訃報(ふほう)をCNNに確認した。
ニューヨーク生まれのボグダノビッチ氏は、映画史家として映画を題材にした執筆活動を行っていたが、その後監督に転身。1960年代にロサンゼルスに移り住んだ。
71年、ラリー・マクマートリーの小説を映画化した「ラスト・ショー」を監督し、高い評価を得る。続けてバーブラ・ストライサンドとライアン・オニールが共演したコメディー映画「おかしなおかしな大追跡」、オニールと幼い娘のテイタム・オニール共演の「ペーパー・ムーン」などの作品を発表した。
私生活では「ラスト・ショー」に出演した女優シビル・シェパードや、プレイボーイ誌のモデルだった女優ドロシー・ストラットンとの交際で大きな注目を集めた。
偉大な俳優、監督として映画史にその名を刻んだオーソン・ウェルズとも親交があり、最近ではウェルズの未完の作品を編集、公開するプロジェクトにも携わっていた。
映画監督のギレルモ・デル・トロ氏はツイッターでボグダノビッチ氏を追悼。「映画の熱心な擁護者」としたうえで、独力の取材によってその人生や作品を記した一流の映画作家らの数では、同世代の誰にも引けを取らないと称賛した。