劇中の発砲を本物と誤解、混乱で観客3人負傷 米
(CNN) 米サンフランシスコの警察は17日までに、市内のオルフェルム劇場でミュージカル「ハミルトン」の公演中、演出の銃撃場面で実際の発砲が起きたとの誤解が場内に広まり、慌てた観客が出口に殺到する混乱があったと報告した。
地元警察の報道担当者によると、劇の主人公である米国建国の父とされる政治家のアレキサンダー・ハミルトンが銃撃される場面に合わせ、女性が急病で倒れていた。これを受け、本物の発砲が起きたとの誤解が観客に広まり、パニック状態が生まれたという。
地元のCNN系列局「KPIX」は、観客の中から「銃だ!」との叫び声が起きたとも伝えた。
騒ぎは15日夜に起きたもので3人が足の骨を折るなどのけがを負って病院に運ばれた。心臓発作と判明した女性も病院に搬送されたが重体。
ミュージカルに出演した俳優らも一時、劇場から退避した。避難を急いだ一部の観客らが警察車両に駆け込む事態もあったという。公演は中止された。
劇場側は今回の騒ぎについて、場内で治療が施されている際、観客が火災警報装置を発動し、観客や俳優らは安全確保を誘導する放送に従って行動したなどとツイッター上で説明。ただ、大きな混乱が生まれても劇場側からの支援や指示は一切なかったとの批判も観客から出た。
「ハミルトン」はトニー賞も受賞した人気ミュージカル。