補給船から「異臭」、ISSのロシアモジュールを一時封鎖 「アウトガス」原因か

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ロシアの補給船「プログレス90」が23日にISSに到着した際、異臭を放っていることが確認された/NASA+

ロシアの補給船「プログレス90」が23日にISSに到着した際、異臭を放っていることが確認された/NASA+

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は24日、国際宇宙ステーション(ISS)に到着した補給船「プログレス90」から「異臭」が出ていることが確認され、ISSに滞在するロシア人宇宙飛行士が短時間、一部区画を封鎖する対応を強いられたと明らかにした。

NASAはCNNに寄せた25日午後の声明で、異臭は「プログレス内部の物質から発生したアウトガス(真空環境下において有機材料などから放出されるガス)」が原因になった可能性が高いと説明した。ロシア人飛行士は「飛まつ」も目撃したと話している。

米ヒューストンにあるNASAのジョンソン宇宙船センターの新責任者、ケリー・ハンフリー氏によると、「クルーに心配はない」という。

プログレスは無人船で、実験計器や推進剤、食料その他の補給物資を搭載することが可能。非対称ジメチルヒドラジンを燃料、四酸化二窒素を推進剤として飛行する。どちらも人間にとって極めて有害だが、ハンフリー氏は、推進剤が原因となった様子はないと明らかにした。

「アウトガス」は人工物が地球の大気という保護バブルを抜け、放射線に満ちた宇宙空間に入ると発生する場合がある。

ハンフリー氏が電子メールで説明したところによると、NASAがアウトガスの発生源となった可能性を指摘したプログレス内部の「物質」に燃料は含まれない。

ハンフリー氏は「異臭の原因に関する詳しい情報は、(ロシアの宇宙機関)ロスコスモスに問い合わせてほしい」としている。

ロスコスモスにメールでコメントを求めたものの、返答はない。

NASAの24日の声明によると、ロシア人飛行士は異臭に気づいた後、全長約4.9メートル、幅約2.6メートルの「ポイスク」モジュールとISSの他部分を接続するハッチを閉じる対応を取った。その後、地球上の管制官が「通常の手続きの一環で空気浄化装置を作動させた」という。

補給船プログレスは今月21日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。NASAによると、「3トン近くの食料や燃料、補給物資」を積載していた。

異臭やポイスクのハッチの一時閉鎖は短い単発的な事象とみられるが、ISSのロシアモジュールに絡む一連の出来事に新たなエピソードが付け加わった形だ。

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