野生生物の減少、従来の想定より「著しく憂慮すべき」水準 新研究

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世界の野生生物の減少は従来考えられていたよりも「著しく憂慮すべき」水準にあることを示す調査結果が明らかになった/Bienvenido Velasco/EPA-EFE/Shutterstock

世界の野生生物の減少は従来考えられていたよりも「著しく憂慮すべき」水準にあることを示す調査結果が明らかになった/Bienvenido Velasco/EPA-EFE/Shutterstock

(CNN) 世界の野生生物の減少は従来考えられていたよりも「著しく憂慮すべき」水準にある――。新たな研究でそんな結果が明らかになった。地球上の半数近い種は、個体数の急速な減少に見舞われているという。

減少の主な要因は、農場や町、都市、道路の用地を確保する目的で野生環境を破壊していることにある。ただ、気候変動も種の減少の重要要因になっており、世界の温暖化に伴い、今後ますます深刻な影響を及ぼすと予想されている。

論文の著者らは今回、哺乳類や鳥類、は虫類、両生類、魚類を含む地球上の7万以上の種を調査。個体数が増えているのか減っているのか、それとも横ばいなのかを見極めた。

その結果、こうした種のうち48%は個体数が減少しており、増えている種は3%未満にとどまることが判明した。

調査結果は専門誌バイオロジカル・レビューズに22日付で発表された。

英クイーンズ大学ベルファストに所属する論文共著者、ダニエル・ピンケイラドノソ氏は今回の調査結果について、「痛烈な警告」だと指摘する。

ピンケイラドノソ氏は「これよりかなり少ない種を基にした別の研究でも、現在進行中の『絶滅危機』が一般に考えられているよりも深刻であることが示されていた。我々の研究結果はそれをグローバルな規模で明確に裏付けるものだ」と説明した。

絶滅危機の度合いについてはここ数十年、国連委員会である国際自然保護連合(IUCN)がそれぞれの種に割り当てる「保護カテゴリー」によって決定されてきた。

IUCNの絶滅危惧種レッドリストではこの手法に基づき、生物種のうち約28%を絶滅危惧種に分類している。

しかし今回の分析によれば、現在「非絶滅危惧種」に分類されている33%についても、実際は絶滅に向かっていることが明らかになった。

哺乳類や鳥類、昆虫はいずれも種が減少しているが、中でも両生類は影響が大きく、病気や気候変動を含む様々な脅威にさらされているという。

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