自分はひどい母親と落ち込むあなたへ 動物界のさらにひどい母親たち

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天敵のディンゴに向かって我が子を放り投げるクオッカのイラスト/Workman Publishing

天敵のディンゴに向かって我が子を放り投げるクオッカのイラスト/Workman Publishing

クオッカ

「クオッカの母親は、野生のディンゴと遭遇すると、自分が逃げるためにどのような行動を取るか想像できるだろうか? そう、なんと母親は自分の子を投げ捨てるのだ」(ブーザン氏)

小型のワラビーの一種であるクオッカは、実際に自分の赤ちゃんを肉食動物に向かって投げるわけではない。しかし、自分の身に危険が迫ると筋肉を弛緩(しかん)させ、腹袋の中の我が子を地面に落とすことにより肉食動物の注意をそらす。「赤ちゃんで肉食動物の注意をそらしているすきに母親は安全な場所に逃げ、うまくいけばまた別の子を産む」(ブーザン氏)

オーストラリア博物館によると、クオッカの平均寿命は約10年で、メスのクオッカは一生のうちに17匹の子を産み、毎年2匹の子が生まれるという。

最善を尽くせば十分

これらの「恐ろしい動物の母親たち」について読むと、「なぜこんなひどいことができるのか」と思うかもしれない、とブーザン氏は言う。

しかし、母親ならではの「業(わざ)」という点では、人間の母親も動物の母親も同じというのがブーザン氏の近著の立場だ。動物の母親の一見不可解な育児習慣でさえ、自分たちや子孫が成功するための生き残り戦略なのだ。また単に社会が子育てに適した環境を作っていないという場合もある。

ブーザン氏は「読者の反応で最もうれしかったのは、この本を読んだおかげで一瞬深呼吸することができ、笑いがこみ上げ、『よし、少なくとも今日くらいは、少なくともこれから15分間は、自分に厳しくする必要はないだろう』と感じたと言ってもらえたことだ」と述べ、「1人の母親でもそう感じてくれたなら、この本は成功だ」と付け加えた。

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