安価なジェネリックの抗うつ薬、コロナ重症化リスクを低減させる可能性 研究

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肺人工呼吸器で治療を受ける新型コロナに感染した患者=2020年4月30日、ブラジル・リオデジャネイロ/Andre Borges/NurPhoto/Getty Images

肺人工呼吸器で治療を受ける新型コロナに感染した患者=2020年4月30日、ブラジル・リオデジャネイロ/Andre Borges/NurPhoto/Getty Images

(CNN) 米国などの研究チームは27日、安価なジェネリック医薬品(後発薬)の抗うつ薬「フルボキサミン」について、高リスク者における新型コロナウイルスの重症化リスクを3分の1近く低減させる可能性があると明らかにした。

ブラジルで患者約1500人を対象に試験を行った結果、フルボキサミンを服用した人はそうでない人に比べ重症化や入院に至る可能性が低いことが示された。

フルボキサミンは「ルボックス」のブランド名で販売されている選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)で、強迫性障害(OCD)の治療に使われることが多い。だが、研究にかかわった米ワシントン大学セントルイス校のアンジェラ・レイアーセン准教授によると、炎症に作用する可能性もあるという。

レイアーセン氏は声明で、「フルボキサミンはサイトカインと呼ばれる炎症性分子の産生を減らす可能性がある。サイトカインは新型コロナウイルスの感染によって誘発される場合がある」と指摘。また血小板を減らし、それが新型コロナウイルス感染による血液凝固効果に影響を与える可能性もある。

研究結果は医学誌「ランセット・グローバル・ヘルス」に発表された。

試験では有志741人を対象に、100ミリグラムのフルボキサミンを1日2回、10日間にわたって投与。756人には偽薬を投与した。

その結果、フルボキサミンを投与された患者では約11%に当たる79人が緊急治療室や病室での治療を必要としたのに対し、偽薬を投与された患者ではこの割合は約16%だった。絶対リスクが5%、相対リスクが32%減少した計算になる。

同薬がコロナ治療薬に加わるかどうか見極めるにはさらなる研究が必要だが、研究チームは安価な薬である点に期待を寄せている。

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