地球の輝き、ここ数年で急に薄れた理由は? 米研究
地球照は、この最後の3年の間に激減した。あまりに減少が激しかったことから、研究チームはデータの欠陥を疑ったという。
「最後の3年間のデータを分析した結果、反射率が目に見えて減っていた。何かの間違いかと思い、何度もやり直した結果、データは正しかったことが分かった」とグード氏は言う。
このデータと、太陽周期に起因する太陽の明るさの変動との相関関係は認められなかった。つまり原因は別のところにあった。
原因は地球を覆う雲にあった。太陽光は雲の上部で跳ね返されて宇宙に反射する。雲の量が減れば、地球に届く太陽光は増える。
「地球が温暖化しているのは、反射される光が減っていることによる。つまり、目に見える範囲に入ってくる太陽光が増えている」(グード氏)
雲の量の減少が最も大きかったのは北米と南米の西海岸だった。この地域では、太平洋十年規模振動(PDO)と呼ばれる気象現象によって、海面温度が上昇していた。
「米大陸の西海岸沖では、低い高度にある雲が暑さで消滅し、太陽光の到達量が増えた。地球の反射率が低下したのはそのためだった」とグード氏は解説する。
この現象が、地球温暖化の加速に直接的な影響を及ぼすとまでは同氏は言わなかった。「確かに、地球は1平方メートルあたり0.5ワットを余分に受け取っている。地球がこのエネルギーをどうするかは推測するほかない」