人類の北米到達、当初の見方よりはるか前 2万年余前の足跡化石から判明
ベネット氏によれば、この時期に北米大陸南西部に足跡が存在したことを踏まえると、人類は従来の見方よりも大幅に早く北米大陸に到着していた可能性が高いという。
「最終氷期極大期」と呼ばれる2万6000~1万9000年前の時期には、2つの巨大な氷床が同大陸の北側3分の1を覆い、南は現在のニューヨーク市やシンシナティ、アイオワ州デモインまで達していた。氷や低温のため、当時はアジアとアラスカの間の往来が不可能だったとみられ、足跡を残した人々はこれより大幅に早い時期に到着していた可能性が高い。
ベネット氏は「これは初の明確な遺跡であり、最終氷期極大期の頃に人類が米南西部にいたことを示す素晴らしいデータだ」と話している。
研究対象となった足跡の一つ/Courtesy Mattew Bennett/Bournemouth University
同盆地で8年間、人間や動物の通り道を調査してきた地質考古学者のデービッド・レーシャル氏は、今回特定された年代について「極めて具体的」に見え信頼できると評価しつつも、このエリアから石器などの人工物が見つかっていないことから、さらに多くの研究が行われる必要があるとの見解を示した。