新型コロナ、多のう胞性卵巣症候群の女性が高リスクか

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新型コロナウイルスに感染したブレアナ・アギラールさん/Courtesy Breanna Aguila

新型コロナウイルスに感染したブレアナ・アギラールさん/Courtesy Breanna Aguila

PCOSの女性が新型コロナの重症化リスクや長期的な後遺症のリスクが高いかどうかについてはほとんど研究が行われていない。

PCOSに詳しい米ジェファーソン大学のキャサリン・シェリフ氏は「PCOSの女性も潜在な高リスクグループに含めるよう勧告する」と述べ、「アンソニー・ファウチ氏(米国立アレルギー感染症研究所長)が『PCOSのような高リスクグループに目を向ける必要がある』と言ってくれれば、もっと注目してもらえるかもしれない」と話す。

アルト氏やシェリフ氏によると、PCOSが一般的にも新型コロナとの関連でも見過ごされがちなのは、多くの場合、女性の健康問題として片付けられがちなことによる。この1年の間、新型コロナ重症化リスクがある人の基礎疾患については膨大な量の情報が伝えられたが、その中にPCOSに関する情報はなかった。

アルト氏の研究チームは今年2月、この症例に関する初の本格的な研究結果を欧州の医学誌に発表した。誤解を招く原因はPCOSという名称にあるとアルト氏は言い、PCOSは卵巣の疾患ではなく「生涯にわたる代謝疾患」であり、新型コロナとの関連でもそうした扱いをする必要があると指摘する。

同氏の研究によると、PCOSの女性が新型コロナウイルスに感染したり感染の疑いがあったりするとされる確率は、PCOSでない女性に比べて51%高い。

PCOSに伴うさまざまなリスク要因を考慮してモデルを調整した場合でも、PCOSをもつ女性の方が、新型コロナ感染リスクは28%高いことが分かった。

ただ、これまでのところ、PCOSの患者が新型コロナで重症化しやすいという裏付けはなく、新型コロナがPCOSにどう影響するのかは女性自身が推測するしかない状態だ。

アギラールさんの場合、PCOSと診断されたのは新型コロナに感染した後だったが、恐らくは何年も前から続いていながら症状を認識していなかった症例と思われる。

「私の身体はそうした基礎疾患がありながら、大部分でそれを管理することができていた。そこへ新型コロナに感染して、私の身体の防御機能や調整機能が全て失われてしまった」。アギラールさんは医師から受けた説明を振り返ってそう語った。今後症状が改善するかどうかはまだ分からないと話している。

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