海中のプラスチックバッグ、空腹のウミガメには餌と同じにおいか

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実験用の水槽の中で泳ぐアカウミガメ/Joseph Pfaller

実験用の水槽の中で泳ぐアカウミガメ/Joseph Pfaller

(CNN) ウミガメが海中に浮かぶプラスチック製のバッグを食べるのは、バクテリアや藻類の付着によってバッグが食べ物のようなにおいをさせているからだとの可能性を示唆する研究結果が発表された。ウミガメがプラスチック製のバッグを食べることは研究者にとって長年の謎だった。カレントバイオロジー誌で調査結果が発表された。

研究では捕獲したウミガメに異なる複数のにおいを嗅がせた。報告書の執筆者の1人で米スタンフォード大学ホプキンス海洋研究所の研究員マシュー・サボカ氏によれば、水につかったプラスチックバッグのにおいについて、食べ物のにおいとほとんど同じような反応を見せたという。

実際に、海中から鼻を出し続ける時間は、実験でつかわれたにおいと比較すると、プラスチックバッグのにおいを嗅ぐ場合、3倍長かった。

これまでは、ウミガメは偶然にプラスチックバッグに引っかかったり、クラゲと間違えて食べたりした可能性があると思われていた。

サボカ氏は、ウミガメが食べ物であることを知らせるある種のにおいを追跡するよう進化したため、本能的に、海中でプラスチックバッグに付着したバクテリアや藻類のにおいに向かっていくのではないかとの見方を示す。サボカ氏は、海には食べ物が豊富にあるわけではないため、ウミカメなどの生き物は生き残るために非常に特殊化する必要があると指摘した。

こうした懸念は他の動物でも同じだ。サボカ氏によれば、過去の研究でも、海鳥や一部の魚で、自らの本能に騙されてプラスチックバッグを食べてしまう可能性があることが示唆されていた。

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