木星の意外な姿、探査機「ジュノー」の観測で判明 NASA

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NASAの探査機「ジュノー」が高度5万2000キロから観測した木星の極点

NASAの探査機「ジュノー」が高度5万2000キロから観測した木星の極点

(CNN) 厚い雲に覆われた巨大なガスの惑星、木星。その実際の姿は、これまでの想像とは大きく違っていたことが、探査機「ジュノー」の観測で判明した。米航空宇宙局(NASA)が25日の電話会見で発表し、科学誌「サイエンス」などにも論文を寄稿した。

ジュノーは2011年8月に打ち上げられ、16年7月に木星に到達。軌道上を周回しながら観測を続けてきた。「木星の内部は均質で、どちらかというと退屈だと思っていたが、今回の観測でそれとは程遠いことが分かった。木星は極めて複雑で、極点から見る木星は、我々が普通に目にする光景とはかけ離れていた」。主席研究員のスコット・ボルトン氏はそう語る。

観測の結果、これまで確認できていなかった極点の存在が判明。極点にある明るい楕円(だえん)形の部分は、幅1400キロに及ぶ巨大サイクロンだったことが分かった。極点の巨大サイクロンが確認されたのは初めてだという。

表面を覆う厚い雲の探査では、大量のアンモニアが激しく巨大な気象系を形成していることが分かった。

木星の磁場は、地球の磁場の最も強い部分に比べて10倍の強さをもっていた。この強さはこれまでの想定の2倍に当たり、研究チームにとっては予想外だった。

ジュノーは木星の巨大オーロラにも遭遇し、紫外線と赤外線で画像をとらえることに成功。電子的なエネルギーが大気の上部に放出されている様子も観測した。これがオーロラをつくり出している可能性もある。

木星の重力場の測定にも成功した。そのデータを今後の観測データと組み合わせれば、木星の大気の構成を突き止める手がかりになり、「木星に岩石状の核が存在するのか」という大きな疑問の解明につながる可能性もある。

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