人工乳房で希少がんのリスク、死亡例も 米FDA報告
(CNN) 米食品医薬品局(FDA)は21日、胸に人工乳房(インプラント)を挿入する手術を受けた患者について、極めてまれながんの一種、未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)にかかるリスクが増すとの見方を示し、これまでに9人の死亡例が報告されていることを明らかにした。
ALCLはインプラント周辺の皮膚やリンパ節に現れることがあり、乳腺組織にできる乳がんとは違う。
FDAによると、胸のインプラント手術との関連が疑われるがんの症例は今年2月1日までに計359件報告された。ただ全世界から症例やインプラント販売件数のデータを集める作業には限界があるため、正確な数字は確認できていないという。
FDAは2011年、インプラント手術の後にALCLを発症するわずかなリスクがあるかもしれないとの見解を初めて示し、医師らに注意を呼び掛けていた。
また、患者自身もインプラントの周りに水がたまったり硬い部分があったり、しこりができたりしていないかどうか、チェックを心掛けるべきだと訴えていた。このほかに、インプラント周辺のはれや赤みといった症状が出ることもある。
その後の研究では、ALCLの発症にインプラント表面の加工が影響を及ぼす可能性も指摘されている。
FDAによると、ALCLの患者でインプラントの種類が判明している231人のうち、203人は表面がざらざらしたタイプを使った患者で、つるつるしたタイプで発症したのは28人にとどまった。