「母親の声」、1秒未満でも子どもの97%が認識 米調査

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ほぼ全員の子どもが、1秒に満たなくても母親の声を認識できるという

ほぼ全員の子どもが、1秒に満たなくても母親の声を認識できるという

(CNN) 「母親の声」は、1秒未満であっても子どものほぼ全員が認識できるほか、聴覚野以外の脳の部分にも刺激を与えている――。米スタンフォード大学医科大学は19日までに、母親の声と知らない女性の声に子どもがどう反応するかの調査結果を発表した。

調査では、7歳から12歳の子ども約24人に、母親と知らない女性とによる意味のない単語の録音を聴かせて、脳の様子をMRI(磁気共鳴断層撮影装置)で調べた。1秒に満たない音でも子どもは97%の正確さで母親の声を認識したという。

また、脳の聴覚野以外にも反応が見られた。感情をはじめ、報酬系や顔認識、社会生活機能に関連する脳の一部についても、母親の声を聞くと反応を示したという。簡単にいえば、子どもの社会的なコミュニケーション能力は、母親の声に子どもがどう反応するかに大きく影響を受ける。

報告書の主要執筆者であるダニエル・エイブラムズ氏は、「私たちの社会的、言語的、感情的なプロセスの大部分は母親の声を聴くことによって身につく。しかし、この非常に重要な周囲の音源について脳がどう構造化されるのかについてはほとんど知られていない。脳の多くの異なった領域にこれほど素早く母親の声が届くのか理解していなかった」と述べた。

母親の声を聴くと脳の多くの部分が反応を示したが、母親の声を聴くことが、子どもの精神的な快適さにとって重要である可能性があることが分かっているという。

2010年の調査では、ストレスを抱えた10代が母親の声を電話で耳にするとすぐに落ち着きを取り戻すということが分かった。母親と会話をすることで、ストレスに関するホルモンが減ったり、絆を強める役割があると見られている気分を良くする脳内化学物質が放出されたりなどするからだという。

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