植物版「ノアの箱舟」から種子を移送 シリア内戦で研究頓挫

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長年にわたり生き延びてきた貴重な品種が、今後予想される食糧危機打開の鍵を握る

長年にわたり生き延びてきた貴重な品種が、今後予想される食糧危機打開の鍵を握る

戦闘は一向に収まる気配がないため、研究チームはレバノンとモロッコの新たな施設に移転して再出発することを決めた。

アレッポの施設は世界最大の大麦のコレクションをはじめ、小麦、ソラマメ、レンズマメ、ヒヨコマメなど13万5000以上の品種がそろう有数の種子バンクだ。何世代にもわたって受け継がれた末、現在はすでに絶滅してしまった品種も少なくない。この施設からは12年ごろまでに、ほぼ8割の品種の種子サンプルがスバルバールの貯蔵庫へ送られていた。

ICARDAのチームはこのほど、それらのサンプルを取り出してレバノン東部のシリア国境近くに設けた施設へ運び、研究向けに栽培を始めた。さらにモロッコにも並行して、同様の施設が開設されている。

貴重なサンプルの中には、現在の小麦の起源とされる1万年前の品種などもある。長年の自然淘汰(とうた)を経てきた品種は干ばつや暑さ、病気などに特に強く、人類が今後予想される気候変動に耐えて生き延びるための鍵となる可能性を秘めているという。

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