性犯罪には「遺伝も関与」 疫学研究者

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性犯罪には「遺伝子も関与」 専門家に聞く

ロンドン(CNN) 性犯罪には育った環境だけでなく遺伝的要因も影響していると結論付けた論文が、9日の国際疫学学会誌に発表された。

論文はスウェーデンのカロリンスカ研究所、カナダのオタワ大学、英オックスフォード大学の研究チームが発表。スウェーデンで1973~2009年にかけて性犯罪で有罪判決を言い渡された男性2万1566人の統計を調べた。

その結果、同じ環境で育った異父母の兄弟などを比較すると、血のつながった親に性犯罪歴がある子どもの方が性犯罪を犯す確率が高いことが判明。性犯罪歴のある人物の実の子どもが性犯罪を犯す確率は、平均の5倍に上ることが分かった。異父兄弟が性犯罪を犯す確率は2倍にとどまった。

研究チームの一人、オックスフォード大学のシーナ・フェゼル氏はこの結果について、「環境がすべてではなく、遺伝的な要因は存在する。これはささいなこととは言えず、遺伝的要因を排除してはならない」と言い切る。

研究チームはリスクに対して遺伝的要因が占める割合を40%と結論付けた。ただファゼル氏は、この数字は厳密過ぎる可能性があるとして、20~50%の間と考えた方がいいかもしれないと話している。

特定の人が遺伝子的に性犯罪を犯す可能性が高いと分かれば、必要とする人に対して政府が支援を行う一助になるかもしれないと同氏は指摘する。例えば特定の家庭への社会福祉サービスを通じて、リスクが高いと判定された人物への働きかけを強めるなどの目的でこうした情報を利用できる可能性があるという。

ただし遺伝的傾向があるからといってその人物が確実に性犯罪者になるわけではなく、どの個人も性犯罪を起こすリスクは低いと同氏は強調している。

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