著名な元投資家が死去、米ヒット映画「ウォール街」主人公のモデル

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1987年4月、インサイダー取引事件で罪を認め裁判所を後にするボウスキー氏/Keith Torrie/NY Daily News/Getty Images

1987年4月、インサイダー取引事件で罪を認め裁判所を後にするボウスキー氏/Keith Torrie/NY Daily News/Getty Images

(CNN) 1970~80年代に米ウォール街の著名な投資家として注目され、最後にはインサイダー取引の疑いで摘発されてもいたアイバン・ボウスキー氏が死去したことが23日までにわかった。87歳だった。

娘のマリアンヌさんがCNNの取材に確認した。米カリフォルニア州サンディエゴ市ラホヤ地区にある自宅で就寝中に息を引き取ったという。妻、子ども5人と孫4人を残した。

同氏は、1987年に公開され、大ヒットした米映画「ウォール街」で主人公の投資家ゴードン・ゲッコーのモデルになったともされる。

ボウスキー氏は1986年、米カリフォルニア大学バークレー校の卒業式で講演し、「貪欲(どんよく)は健全」とも発言。この言葉は同映画の中で「貪欲は善」のセリフとして使われてもいた。同年には米タイム誌の表紙を飾る有力人物となっていた。

投資家としては1980年代に活発化した企業のM&A(合併・買収)に着目し、利益を得てきた。進行中のM&A交渉に関する情報を先取りし、株取引に踏み込む手法も交えていた。

米証券取引委員会などがこの手口に気づいた後、ウォールストリートでのインサイダー取引の調査に協力する姿勢に転じた。株価操作などの情報も提供したという。

86年に摘発されたインサイダー取引事件で罪を認め、禁錮3年と罰金1億ドルの判決が下された。余生での株取引禁止の処罰も受けていた。

ボウスキー氏は米デトロイト市で食品店経営者の息子として生まれ、デトロイト法科大学を64年に卒業後、L.F.ロスチャイルド投資銀行の株取引アナリストとしてウォール街の世界に入った。

妻の実家の財力を頼って75年までには自らの投資企業を設立。85年春までには2億8000万ドルを超える資産を持つウォール街で最高の株取引業者との評判も得ていた。

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