橋の13本に1本が「劣悪」な状態、数千本が衝突で崩壊の恐れ 米

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貨物船の船体に載った状態のフランシス・スコット・キー橋の残骸=3月29日撮影/Kevin Dietsch/Getty Images

貨物船の船体に載った状態のフランシス・スコット・キー橋の残骸=3月29日撮影/Kevin Dietsch/Getty Images

(CNN) 米メリーランド州ボルティモアで貨物船が橋に衝突して橋が崩落した事故によって、米国に60万本余りある橋の潜在的な脆弱(ぜいじゃく)性に注目が集まっている。

3月下旬に崩落したフランシス・スコット・キー橋は建造から47年が経過し、その間、誰もが橋が崩落すると考えるような衝撃を受けることはなかった。重量が10万トンを超える貨物船が橋に衝突すると、1分もたたないうちに橋は崩落した。

こうした壊滅的な崩落は完全に予測できるものではなかったかもしれないが、衝突による橋の崩落は完全に前代未聞ということはなく、今回の崩落は回避できた可能性がある。

連邦当局による最近の検査では橋の状態は「まあまあ」であり、メリーランド州知事は橋が「完全に基準を満たしていた」と述べた。だが、米国には状態の悪い橋が数多く存在している。

米国土木学会(ASCE)と連邦政府によれば、米国にある4万6000本の橋が老朽化して「悪い」状態にあり、1万7000本の橋が1度の衝撃で崩落する危険性がある。

異常気象や大型化するトラック、より大型の貨物船の衝突は米国の橋に大きな危険性をもたらすと専門家らは指摘する。

各州は少なくとも2年に1回、幹線道路橋を検査し、「良い」「まあまあ」「悪い」のいずれかに分類する。状態が悪いと判明した橋は構造の一部で劣化が進んでいる状況にある。

2021年に発表されたASCEの直近の報告書によれば、全米の61万7000本の橋のうち全体の7.5%に相当する約4万6100本の橋が構造的に欠陥があり、状態が悪いと考えられている。

ASCEによれば、構造的に欠陥のある橋は本質的に危険というわけではないものの、橋の維持には多額の投資が必要となる。そうした橋は閉鎖や重量制限の危険性が高まるという。

ASCEによれば、構造的に欠陥のある橋の数が近年減少していることは朗報だ。一方で、改善のための支出が減速しており、橋の修繕をめぐり未処理となっている金額は1250億ドル(約19兆円)に上るという。

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