新機軸の「弾丸」飛行機、ビジネス航空業界に革命起こすか

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奇抜なデザインの「オットー・セレラ500L」のキャビンは6人乗り。速度は時速約740キロ、航続距離も約7200キロと大型旅客機並みだ/Brad Adkins/Otto Aviation
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奇抜なデザインの「オットー・セレラ500L」のキャビンは6人乗り。速度は時速約740キロ、航続距離も約7200キロと大型旅客機並みだ/Brad Adkins/Otto Aviation

(CNN) 卵か、飛行船か、はたまた弾丸か。何に見えるかは人それぞれだが、オットー・セレラ500Lが他の飛行機と違う形をしているのには訳がある。それは独特の空気力学だ。

セレラの形状は、空気が機体の表面を非常にスムーズに流れるようにすることにより、空気抵抗を大幅に減らす設計になっている。それにより機体の消費するエネルギーが減り、燃費が向上する。

「これにより燃費効率は他のターボプロップ機の4~5倍、ジェット機の7~8倍になる」とオットー・アビエーションの最高経営責任者(CEO)ウイリアム・オットー・ジュニア氏は語る。

機体の数が増えれば、運航コストは同じ大きさの事業用飛行機に比べ大幅に下がる。オットー・アビエーションによると、1時間の飛行に要するコストは一般の飛行機が2100ドル(約24万円)であるのに対し、セレラはわずか328ドル(約3万7000円)で、燃費は一般の飛行機が1ガロン(約3.8リットル)当たり2~3マイル(約3.2~4.8キロ)であるのに対し、セレラは大型のスポーツ用多目的車(SUV)並みの18~25マイルだという。

しかも、セレラの客室は6人が乗っても十分な広さがあり、さらに速度は時速約740キロ、航続距離も約7200キロと大型旅客機並みだ。

スムーズな空気の流れ

セレラ500Lの形状は、「層流」と呼ばれる概念に基づいて設計された。

層流は、空気などの流体の層が乱れることなく平行に流れる状態を指す。これに対して乱流は、流れが交差したり、雑然とした状態を指す。

卵形のセレラ500Lの形状は、層流が機体の表面で発生するように設計されており、それにより飛行機が空気の中をよりスムーズに進めるようになる。

オットー・アビエーションによると、この形状のおかげで、同等の大きさの飛行機と比べて空気抵抗が59%も抑えられ、その結果、燃料消費量や二酸化炭素(CO2)排出量の大幅な削減につながるという。

しかし、層流がそれほど効果的なら、なぜ全ての飛行機をこの形にしないのか。

この点についてオットー氏は「層流を維持するには形が曲がったり、たわんだり、ゆがんだりしない構造を作る必要がある」とし、「金属でこれを行うのは不可能で、複合材料(の使用)が唯一の方法だ」と付け加えた。

層流は氷や虫の付着といった微細かつ一時的な障害物でも崩れる可能性があり、航空機の大きさまで拡大するのは極めて難しい。またオットー氏は、燃料価格の安さも飛行機の設計者たちが層流を避け、よりシンプルなエンジニアリングを選択する要因になった可能性があると指摘する。

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