米ミネソタ州で水関連の起業相次ぐ 新たな産業集積地に
ニューヨーク(CNNMoney) 米ミネソタ州で最先端のテクノロジーを駆使して水問題に取り組む新興企業が増えている。同州では、水不足に悩むカリフォルニア州の需要などを受け、地元の大企業で経験を積んだ人材が水ビジネスを展開。コケやセラミックスを利用した浄水技術の開発や、海水を淡水化するコストの大幅削減を目指すなど、先進的な取り組みを行う3社を紹介する。
ミネソタ州ミネアポリスの元外科医、デービッド・ナイトン氏が設立したクリエーティブ・ウォーター・ソリューションズは、ミズゴケの一種を使って水を浄化するサービスを提供している。着想を得たのは数年前。第1次世界大戦中の負傷兵について、綿よりもミズゴケで止血した方が生存率が高かったとの雑誌記事を読んだのがきっかけだった。医師として、ミズゴケに抗菌作用があったに違いないと考えたのだ。
同社の具体的な事業内容は、住宅向けプールやスパなどのフィルター付近に、房状にまとめたミズゴケを設置するというものだ。こうしておけばミズゴケ特有の浄水作用が働くため、化学薬品の使用量を減らすことができる。水から塩素の匂いも取り除けるほか、濾過(ろか)装置の寿命を延ばす効果も得られる。
また産業用の大規模な浄水では、ミズゴケを詰めた容器を水中に降ろし、コケの成分を水中に拡散させる。浄化された水を複数回利用することで、水の使用量を40%削減できる。
同社の売り上げは年30~40%のペースで増加。その技術は、ミネソタ州内のプールや産業施設で広く使われているという。