肥満の操縦士と管制官に睡眠障害検査を義務づけ 米FAA
(CNN) 米連邦航空局(FAA)は20日、肥満と認められた全てのパイロットと航空管制官に睡眠時無呼吸症候群の検査を義務づける方針を明らかにした。
米国の商用と個人のパイロット60万人のうち、約12万5000人が対象となるとの見方もある。管制官は米国内に約1万4500人いるが、対象となる人数は今のところ不明。
今後は、定期的な身体検査の際に体格指数(BMI)が40以上で、首回りが43センチメートルあることが明らかになれば、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の検査が必要となる。身長約180センチメートルの男性の場合、体重が約130キログラムあればBMI40に該当する。
FAAの担当者によれば、こうした体格の人々のあいだでは睡眠時無呼吸症候群(SAS)が非常によくみられるという。同症候群と診断された場合、治療しなければ空を飛ぶために必要な診断書を受けることができない。
今後はもっとBMIが低い人々にも対象を広げ、睡眠障害のある航空関係者全てを割り出し、治療を受けさせるようにしたいという。
米国では過去に、目的地を通り過ぎたパイロットが睡眠時無呼吸症候群だったことが明らかになった例や、疲労しきったパイロットが操縦ミスをして搭乗機を墜落させてしまった例もある。
2011年には、勤務中に眠ったとして3人の管制官が解雇されている。
職業パイロットらで構成する組合は、今回の方針について精査していると明らかにした。管制官の組合からコメントは得られなかった。