中国を飛び出すか、とどまるか 若者たちの選択

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北京(CNN) 停滞する世界経済の中で高度成長を続ける中国。そこから多くの優秀な若者が、海外へ飛び出していく。欧米の批判的精神や言論の自由、安定した生活など、求めるものはさまざまだ。一方には留学から帰国し、中国にとどまる道を選ぶ者もいる。

北京外国語大学4年生のガオ・ユエさん(22)は卒業後、海外へ出るつもりだ。高校時代に1カ月間、交換留学生として米国に滞在してから、ずっと心に決めていた。専攻はジャーナリズム。「中国は言論統制が厳しすぎる。海外で批判的精神を追求したい」「中国の教育では人と同じように考え、『正しい』答えを出すことだけが求められる。ジャーナリストはもっと批判的にならなければ」と話す。

こうした学生は決して珍しくない。中国は今秋、10年に一度の指導部交代を迎えたが、その閉鎖的な権力移行プロセスが不安感をますます増大させている。貧富の差の拡大や環境破壊、汚職など、直面する問題は深刻だ。

教育当局の最新データによると、全世界にいる中国からの留学生は約150万人。これほど多くの学生を送り出している国はほかにない。中国人留学生の数は2009年以降、毎年20%以上のペースで急増しているという。

学生だけでなく、裕福な起業家たちが資金と才能ごと海外へ流出するケースも多い。富豪ランキングで知られる中国の胡潤研究院によると、国内の超富裕層1000人を対象に実施した最近の調査で、海外移住を予定している、あるいは真剣に検討しているとの回答は全体の60%を占めた。胡潤を率いるルパート・フージワーフ氏は「不安感を背景に、保険に入るような感覚で米国やカナダ、オーストラリア、シンガポールの永住権を獲得しようとする動きが目立つ」と分析する。

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