パリ(CNN) フランスのパリ郊外で17歳の少年が警官に射殺された事件をめぐり、全土で3夜連続の抗議デモが続き、29日だけで少なくとも100人が逮捕された。
デモ封じ込めのため、ボルドー、リヨン、ルーベ、マルセイユ、リールの各都市にはフランスのエリート警察、国家警察特別介入部隊(RAID)が配備された。
警察官に抗議するデモ参加者=29日、仏パリ郊外ナンテール/Zakaria Abdelkafi/AFP/Getty Images
デモ隊と警官隊の衝突は、少年が射殺されたパリ近郊ナンテールと、南部の港湾都市マルセイユで激化した。
ゴミ箱を燃やし、道路を封鎖するデモ参加者ら=29日、パリ/Fiachra GIBBONS/AFP/Getty Images
現場からの写真によると、ナンテールでは銀行が放火され、死亡した少年を追悼するデモ行進が暴徒化して15人が警察に連行された。
抗議活動中に建物によじ登るデモ参加者/Zakaria Abdelkafi/AFP/Getty Images
CNN提携局のBFMTVによると、マルセイユではデモ隊が警官隊に花火を投げた。北部リールからの映像には、路上で火が燃え、警官が走る様子が映っている。地元当局によると、リールで禁止されていた抗議運動に参加した6人が事情聴取のため連行された。
若者と警察の間で衝突が起きた=フランス・パリ郊外のナンテール
ジェラルド・ダルマナン内相によると、29日夜には全土で少なくとも100人が逮捕された。警察には「整然とした介入」を指示したとダルマナン内相は述べ、「勇気ある仕事」をしている警官と消防隊員を支持すると強調した。
銀行の消火に当たる消防隊員=29日、パリ郊外ナンテール/Zakaria Abdelkafi/AFP/Getty Images
28日夜には各地で警察署や市庁舎、学校などが放火され、約150人が逮捕された。内務省は先に、29日は警官4万人(パリの5000人を含む)を全土に配備して暴動鎮圧にあたると発表していた。
暴動に火が付いたのは、27日に交通取り締まりの警官が少年を射殺したことが発端だった。この日の夜にかけて車40台が放火され、警官24人が負傷した。
ツイッターに投稿された映像の一部。検問中の警官が車を運転していた17歳の少年と接触した瞬間が映っている/From @Ohana_Fgn/Twitter
BFMTVは、警官が自発的殺人の容疑で捜査の対象となり、仮勾留されたと伝えている。
29日には、死亡した少年の母親を先頭とする追悼のデモ行進に推定6000人が参加した。
警官の17歳少年射殺で3夜連続の暴動 フランス