フェイスブック、IT大手などにさらなる情報提供か 米紙報道

他社とのユーザー情報共有について、フェイスブックの新たな実態が浮上/LOIC VENANCE/AFP/Getty Images

2018.12.19 Wed posted at 19:47 JST

ニューヨーク(CNN Business) ユーザー情報の扱いをめぐって批判を浴びている米フェイスブックが米マイクロソフトやアマゾンなどと提携契約を結び、これまでに認めてきたよりもさらに多くの情報を提供していたことが分かった。米紙ニューヨーク・タイムズが18日夜に伝えた。

同紙はフェイスブックがIT大手など150社以上と結んでいた情報共有契約の内部文書を入手したという。フェイスブックがユーザーを獲得しやすくするのと引き換えに、提携先はフェイスブックのプライバシー規定に縛られることなく、自社製品に新たな機能を追加できるといった内容だ。

契約の多くが数年前に終了しているとはいえ、同紙が入手した文書やフェイスブックの元従業員50人への取材から、情報共有の新たな実態が浮かび上がってきた。

フェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はこれまで、ユーザーの情報をだれに見せるかはユーザー自身が「完全に制御」していると主張してきた。

だがアマゾンはフェイスブック・ユーザーの友達リストを通し、そこに載っているユーザーの名前や連絡先の情報を入手していた。マイクロソフトの検索エンジン、ビングも、フェイスブック・ユーザーほぼ全員の友達の名前を本人の同意なしで見ることができた。

ストリーミング配信サービスのネットフリックスやスポティファイは、フェイスブック・ユーザーのプライベートなメッセージを読むことができたという。

同紙によれば、アマゾンやアップルとの契約は現在も続いている。

ザッカーバーグ氏は情報提供先について、ユーザー自身が「完全に制御」していると主張

フェイスブックは2011年、連邦取引委員会(FTC)との間で「ユーザーの情報を本人の許可なく共有してはならない」との同意審決を交わした。同紙の記事は、フェイスブックがこれに違反した可能性を指摘している。

これに対し、フェイスブックでプライバシー規定などを担当するスティーブ・サッターフィールド氏は、提携先はフェイスブックの延長、つまりユーザーが友達と交流するためのサービスを提供する主体と考えられるため、同意審決は適用されないとの立場を示した。

サッターフィールド氏はさらに、提携先企業が「ユーザーのプライバシー設定を無視できるわけではない」と強調。フェイスブック自体がサポートしていない端末などからもフェイスブックを利用できるようにするための契約で、提携先が情報を別の目的で使うことはできないと説明している。

アマゾンはCNNの取材に対し、フェイスブックから提供された情報は自社のプライバシー規定に沿って使用しているとコメントした。

マイクロソフトは、フェイスブックからの情報は16年2月の契約終了にともない、ビングの検索結果に表示されなくなったと説明。それ以前もユーザーの意向を尊重していたと述べた。

ネットフリックスは14年、メンバーがフェイスブック上の友達に番組や映画を勧められるサービスを始めたが、不評だったため15年に打ち切ったという。サービス提供中も、フェイスブック上のプライベートなメッセージにアクセスしたり、アクセスを求めたりしたことはないと主張している。

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