「金委員長に完全非核化の意図なし」、米国防情報局が見解

米国防情報局(DIA)が金委員長について、完全な非核化を遂行する意図はないとする見解をまとめた

2018.07.03 Tue posted at 10:15 JST

ワシントン(CNN) 米国防情報局(DIA)が北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長について、少なくとも現時点では、完全な非核化を遂行する意図はないとの見解をまとめたことが3日までに分かった。DIAの内情に詳しい政権当局者が明らかにした。

別の当局者がCNNに語ったところによると、トランプ政権は北朝鮮に対し、非核化のプロセスを開始するために実行すべき具体的な作業項目を提示する計画だという。

北朝鮮に関するDIAの見解は現在、同意が得られるかどうか見極めるため、他の米情報機関の間で回覧されている。どのような情報を根拠にこうした結論に至ったのかは不明だが、DIAでは衛星画像や通信の傍受、工作員が収集した情報などを使って分析を行っている。

別の当局者によると、DIAは、金委員長が公の場ではある程度の非核化に同意しておきながら、実際には兵器やインフラを米国から隠すつもりだと見ているという。

もし、他の情報機関もDIAの見方に同意した場合、報告書がまとめられ、政権上層部に提出される。DIAの結論についてホワイトハウスがどの程度認識しているのかは不明。

サンダース米大統領報道官は2日の記者会見で、国務省のポンペオ長官が5日に再び北朝鮮を訪問し、金委員長らと会談すると発表した。

外国情報機関の関係者はCNNの取材に対し、金委員長の非核化の意図を疑問視する米情報機関の判断は、何年も前から変わっていないと指摘。北朝鮮の新しいプロジェクトについては認識していないものの、「彼らは何もあきらめていない」と強調した。

国防総省は「米朝首脳会談後の進展に向けた外交努力に猶予と時間を与える」としている

元国連兵器査察官のデービッド・オルブライト氏は2日、高度に濃縮された兵器級のウランを製造している北朝鮮の秘密施設について、新たな情報が入ったと語った。この情報は、同氏の会社が西側の情報筋から入手したとしている。

オルブライト氏はCNNの取材に対し、「彼らはカンソンでガス遠心分離機を使っている」「核兵器のために兵器級のウランを製造している」「同施設には6000あるいはそれ以上の遠心分離機があるかもしれない」と語った。

米国防総省は2日、北朝鮮の核能力に関する情報機関の報告についてはコメントを避け、「朝鮮半島のいかなる脅威にも対応」できる態勢を維持しているとだけ述べた。「米朝首脳会談後の進展に向けた外交努力に猶予と時間を与える」としている。

同省のマニング報道官も、韓国との合同軍事演習を中止したことについて、「朝鮮半島において北朝鮮に対応するための両軍の能力にも即応態勢にも、一切影響はない」と強調した。

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