(CNN) 日本各地の公衆トイレを訪ねて写真を撮り、インスタグラムに投稿する男性のアカウントが話題になっている。塔のあるお城のようなトイレからモダニズム風の建物まで、多彩なデザインがフォロワーの目を引いているようだ。
この男性はナカムラ・ヒデフミさん。2017年1月にインスタグラムのアカウントを開設した時、「何かテーマがほしくて」トイレの写真を撮り始めた。
以前は日本の公衆トイレが良いデザインだとは思っていなかったが、撮影するうちにそれぞれの面白みが分かるようになったという。
日本のトイレにはどうしてこんなに多彩なデザインがあるのか。その理由はよく分からないが、「たぶん建築する人が自由にできるからではないか」と、ナカムラさんは言う。
ナカムラさんはユニークなトイレの写真とともに、それぞれの特徴や周囲の様子を書いて投稿している。
東京都板橋区には、日本の伝統的な蔵などにみられる「なまこ壁」のような模様のトイレがある。
公園では童話の世界を思わせるトイレが目につく。杉並区にあるお城のような建物、文京区にある木の幹のような個室がその例だ。
中央区銀座の水谷橋公園にあるトイレはまるで公会堂のよう。北区のJR尾久駅のトイレは、アルファベットの「OKU」をかたどった建物だ。
突飛なデザインもたくさんあるが、ナカムラさんのお気に入りは街角に建つ「古いけれど美しい」トイレだという。
世界には旅行者がわざわざ見に行くようなトイレもある。旅行ガイドの「ロンリープラネット」は2016年、各地のユニークなトイレを集めたガイドブックを出版した。チベットの仏教寺院にある絶景トイレや、アフリカ大陸最高峰キリマンジャロの大自然に囲まれたトイレ小屋などが紹介されている。
英ロンドンでは近年、古い公衆トイレをレストランや住宅、バーに改造するアイデアが話題を呼んでいる。
中国では政府主導で各地のトイレ事情を改善する「トイレ革命」が進められている。
しかしナカムラさんは当面、日本国内に焦点を絞る構え。「日本のトイレの多様性」に魅了されているからだという。