4.8億円の古代中国兵馬俑から親指盗む、男逮捕 米

米国の博物館から始皇帝時代の兵士像の親指を折って持ち去った男が逮捕された

2018.02.20 Tue posted at 14:48 JST

(CNN) 米フィラデルフィアの博物館に展示されていた古代中国の兵士をかたどった像の親指が持ち去られた事件をめぐり、警察はこのほど、デラウェア州に住む男を逮捕した。陶製の兵士像は2000年前に作られたもので、450万ドル(約4億8000万円)の価値があるとされる。

当局者によると逮捕された男は昨年12月21日、フィラデルフィアにあるフランクリン研究所科学博物館を訪れた。同館主催のイベントに参加するためだったという。

博物館では秦の始皇帝時代に作られた兵士の陶像を展示中だった。同日の夜、男は数人の友人と閉鎖された展示場に侵入。防犯カメラの映像と裁判所の文書によれば、男は友人から離れて像の1体と自撮り写真を撮っていたという。

その後、像の左手に手を伸ばし、親指を折り取ったとみられる。折った親指はポケットに入れ、デラウェア州の自宅に持ち帰った。

翌月の8日、親指が無くなっていることに気づいた博物館職員が通報し、米連邦捜査局(FBI)の担当チームが捜査を開始した。

捜査線上に浮かんだ男から事情聴取したところ、男は自室の机にしまっていた親指を手渡したという。男は博物館から文化遺産を盗み出した罪などで告発されたが、今月13日に保釈金を支払って釈放された。

兵士像を貸し出す中国の文化財センターは親指の盗難について、前代未聞とコメント

実物大の兵士像の制作年代は紀元前209年にさかのぼる。当時の中国を支配した秦の始皇帝の墓を守るためにつくられたとみられる。

過去40年にわたり世界各国で兵士像の展示を運営してきた中国陝西省の文化財センターは今回の親指の盗難について、中国国営メディアに対し、前代未聞だとコメント。専門家2人を米国に派遣して像の修理を行う計画を明らかにするとともに、逮捕された男への厳罰を求めた。

貴重な兵士像の親指がポッキリ

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。