ランチタイムの出会いを仲介、カップル成立3千組 シンガポール

コンサルタントが一人ひとりの顧客と面談したうえでデートを仲介する

2018.01.20 Sat posted at 11:00 JST

香港(CNNMoney) キャリア志向の独身男女が恋人を見つけるには、ランチタイムのデートが最適――。そんなアイデアから仲介サービスを思い立ったシンガポールの女性起業家、バイオレット・リムさんにCNNMoneyがインタビューした。

「恋人探しをお手伝いする仕事なら、きっと人よりうまくできると直感していました」と話すリムさん。ランチデートの相手を紹介するサービス「ランチ・アクチュアリー」を立ち上げたのは14年前のことだ。

それ以来、リムさんの「ランチ・アクチュアリー・グループ」を通して成立したカップルは3000組以上。今ではシンガポール、香港、クアラルンプール、バンコク、ジャカルタ、ペナンのアジア6都市に拠点を置き、計140万人の顧客を擁するビジネスに成長した。

コンサルタントが一人ひとりの顧客と面談したうえでデートを仲介するランチ・アクチュアリーは、今もグループ最大の収益を上げる主力サービスだ。

そのほかにも、プロのコンサルタントがアドバイスする仲介サイトとアプリの「イーシンク」、人物の条件を審査して出会いの先まで支援する富裕層向けのサービス「ピアエージ」、一問一答式の仲介アプリ「ランチクリック」など、事業は拡大し続けている。

最新の事業計画は昨年発表した「ビオラAI」というアプリ。人工知能(AI)を使って相手を見つけ、ブロックチェーンの技術で身元を確認する。今年中に世界各地でサービスを開始したい構えだ。

リムさんは2004年にランチ・アクチュアリーを立ち上げるまで、大勢の友だちから恋愛相談を受けていた。仲介サービスを思い立ったのは、シティバンクで事務職に就いていた時。リムさんはこの職場で夫のジェミー・リーさんと出会った。

「自分の回りに独身で交際相手もいない同僚が多いことに驚きました。魅力的な結婚相手になれる人たちなのに。そこで気付いたのです。忙しい仕事をしている人にはよくあることだけど、みんな時間に追われ、仕事が結婚相手になっているのだと」

リムさんはリーさんとともに会社を設立した。

キャリア志向の独身男女が恋人を見つけるにはランチタイムのデートが最適?

自社でサービスを立ち上げるだけでなく、いくつかの企業を買収してきた。15年には仲介アプリの「ラブ・アウト・ラウド」とタイの仲介会社「ミートンランチ」、昨年はインドネシアの「セティペ」を傘下に収めた。16年からは日本で結婚支援を手掛ける「ダイバース」と組んで、同国に会員制のデート仲介サービスを提供している。

独自のビジネスで大きな成功を収めてきたリムさんだが、「生まれながらの起業家ではない」と自認する。もしランチデートのサービスを思いついていなかったら、普通の職場に長くとどまっていただろうと話す。

「デートや恋愛を扱うのは簡単な仕事ではありません。常に人々の感覚や感情と向き合っているから、自分の感情も激しく消耗する」という。

それでもこれほどやりがいのあるビジネスはないと、リムさんは言う。「その人の人生を大きく変えることができるし、生涯続く幸せを見つけるお手伝いができるから」と、力を込めた。

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