アルコール消費「3割減」、ただし密造酒が急増 ロシア

2017.01.25 Wed posted at 17:08 JST

ロンドン(CNNMoney) ロシア当局は25日までに、2016年にロシアの成人が消費した純アルコールの量は10リットルと2009年と比較して33%減少したと明らかにした。世界保健機関(WHO)によれば、世界平均は同6.2リットル。ただし、消費量減少の背景には、公式統計には登場しない安価で違法な密造酒の消費量が急増していることと関係がありそうだ。

市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルによれば、ロシアでは現在、アルコール販売全体に占める違法なウオツカの割合が30~50%に達するという。

ユーロモニターの主任アナリストによれば、税金の引き上げや国内経済の低迷が密造酒の消費増加の背景にあるという。

ユーロモニターによれば、ロシアの公式なアルコール市場は09~16年に毎年5%の減少を見せた。しかし、密造酒の消費量は、国際的な制裁や原油価格の低迷が収入を直撃したことで急増した。

ユーロモニターの主任アナリストは、アルコール消費量が減少した背景には合法なアルコールから密造酒への移行があったからではないかとの見方を示す。

ロシアのプーチン大統領は昨年、密造酒による死者が数多く出たことを受け、取り締まりの強化を指示した。

WHOによれば、ロシアの男性の約3人に1人がアルコール使用障害に陥っているほか、約6人に1人がアルコール依存症だという。2014年に医学誌で発表された研究によれば、55歳未満で死去するロシア人男性の4人に1人について、アルコールの大量消費がその主な原因となっていたという。

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