空爆で負傷したシリアの少女 胸に迫る泣き顔の映像が拡散

フェイスブック上に掲載された空爆前後のアヤさんの写真

2016.10.12 Wed posted at 09:41 JST

(CNN) 額から鼻を伝って流れる血、ほこりまみれの髪や体――。シリア西部タルビセの自宅で空爆を受け、負傷した少女の動画と画像がインターネット上で広まっている。

動画と画像はシリア反体制派を支持する活動家団体「タルビセ・メディア・センター」が公開した。8歳の少女が混乱と恐怖に満ちた表情で、泣きながら父親を呼んでいる。

名前を尋ねる男性の声に「アヤ」と答える少女。「当時どこにいたの」と問われ、「家にいたけど屋根が落ちてきた」と答えながら、父親の姿を探す。

病院のスタッフやボランティアたちの手当てを受ける間も、アヤさんは泣き続けていた。

シリア西部ホムスの北方約10キロに位置する都市タルビセは10日に空爆を受け、アヤさんは家族とともにがれきの下から救出された。現地の活動家らによると、住宅地を狙った計3回の空爆で少なくとも2人が死亡、30人が負傷した。

アヤさんの両親と、きょうだい3人も負傷した。アヤさんはきょうだいの中で最年長だ。活動家らによれば、一家はこの後、全員無事に再会することができた。空爆で自宅が全壊したため、住む場所を探しているという。

紛争の解決へ向けた関係諸国の努力もむなしく、シリアでは空爆が繰り返されている

活動家らはフェイスブック上に、空爆前後のアヤさんの写真を並べて掲載した。1枚は空爆前日の9日、タルビセ市内の学校にいたアヤさん。もう1枚は空爆の後、病院へ運ばれた時の姿だ。

この「ビフォーアフター」写真には、「戦闘機がこの子の美しい髪を台無しにし、この子の顔を赤く染めた」と嘆くコメントなどが寄せられた。

シリア発の悲惨な写真は過去に何度も世界の注目を集めてきた。その中には北部アレッポで空爆に見舞われて負傷した5歳の男児や、戦火を逃れようとしてボートが転覆し、遺体で見つかった幼児の写真もあった。

同国では5年以上前から内戦が続いている。紛争の解決へ向けた関係諸国の努力にもかかわらず、空爆は繰り返される。最前線のアレッポはここ1週間近く比較的静かな状態を保っていたが、新たな空爆で16人が死亡したとの報告が入っている。

シリアの惨状伝える新たな動画が拡散

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。