ウクライナ、越境のロシア軍車両を攻撃

2014.08.16 Sat posted at 10:52 JST

キエフ(CNN) ウクライナ政府は、今週ロシアから国境を越えてウクライナに侵入した軍用車両集団の大半を破壊したこと明らかにした。また英国の2紙もこの状況を目撃したと報じている。

英国のガーディアンとテレグラフの2紙は、ロシア軍と思われる車両集団が14日夜、ウクライナ東部ドネツク近くの国境を越えたと報じた。ガーディアンによると、同紙は23台の装甲兵員輸送車と、ロシア軍のプレートが付いた他の車両が国境フェンスの隙間からウクライナに侵入するのを目撃したという。

またウクライナ大統領府によると、ポロシェンコ大統領は英国のキャメロン首相に、ウクライナ軍がロシア軍車両の「大半」を破壊したと伝えるとともに、国境の隙間からロシア製の兵器が流入し続けていることに懸念を示したという。ただ、ウクライナ軍のリセンコ報道官は、越境した車両の台数や、ウクライナ軍がそのうちの何台を破壊したかは定かではないとしている。

ウクライナ政府はかねてから、ロシアが数カ月前から親ロシア派とウクライナ軍の戦闘が続くウクライナ東部に兵士や武器を輸送していると主張してきたが、仮にこの事件が真実だとすると、ウクライナ政府の主張を裏付けることになる。

一方、国営ロシア通信(RIA)によると、ロシア外務省はウクライナからの攻撃を否定しており、さらにロシア外相は16日にドイツのベルリンで、ウクライナ、ドイツ、フランスの外相と会談する予定だという。会談の議題については明らかにされていない。

また、ロシア南部のウクライナ南東ルハンシクに接する国境沿いにロシアのトラック200台以上が停車し、ウクライナの入国許可を待っている。ロシア政府は、トラックの荷物は戦闘が続くウクライナ東部の市民への救援物資と主張しており、現在、ウクライナの国境警備隊や税関検査官らが荷物の検査を行っている。

ウクライナ政府は、ロシアからの武器の密輸に強い懸念を示しているが、ウクライナ軍のリセンコ報道官は、救援物資は必要であり、トラックの荷物が救援物資であると確認でき次第、赤十字に物資の配布を許可することになると述べた。

赤十字などによると、ウクライナ東部では、数カ月間続く戦闘でこれまで数百人が死亡し、数千人が水や電気もなく、適切な医療を受けられない状態に置かれているという。

ただ、ウクライナも赤十字を通じて独自に救援物資を配布していると主張している。ウクライナ政府公認のルハンシク州知事イリーナ・ベリジナ氏は今週、「ロシアは夜間に戦車やロケット弾発射車両を輸送し、昼間に人道支援物資を運んでいる」とし、ロシアからの支援は不要と述べた。

ウクライナ、越境のロシア軍車両を攻撃

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