スマホに没頭の列車乗客、銃構える殺人犯に気付かず 米

2013.10.12 Sat posted at 16:40 JST

サンフランシスコ(CNN) 米サンフランシスコの検察当局は12日までに、市内を走る列車内で発生した殺人事件で、犯行現場近くにいた一部乗客がスマートフォンの操作などに没頭し、容疑者が銃を構える姿に気付かない事態があったと報告した。

事件は今年9月、混雑する車内で起きたもので、サンフランシスコ州立大学の学生(当時20)が背中を撃たれ死亡していた。車内の監視カメラの画像によると、容疑者は無作為に犠牲者を物色していた形跡がある。

検察当局者は、被害者から1メートルも離れていない車内には複数の乗客がいたが、スマートフォンの画面をにらみ続け、周囲の動きには気付いていなかったと指摘。

監視カメラには、野球帽をかぶった容疑者が笑みを浮かべながら、45口径の短銃を隠しもせず3、4度持ち上げるなどの場面が映し出されていた。犠牲者を選ぶかのように銃を周囲に振り回しもし、銃で自分の鼻をぬぐう仕草も見せていた。

しかし、周囲にいた乗客は銃声が聞こえるまで、容疑者の挙動を知らなかった様子だったという。

運転中のハンズフリー操作は、携帯による通話などよりも危険との調査結果が

容疑者は逮捕されたが、罪を認めていない。

容疑者が事件が起きた列車に乗り込んだ駅ではその後、多くの大学生が携帯電話の画面に視線を奪われ、CNNが向けたカメラに気付かない一幕もあった。

サンフランシスコの検察当局者は、携帯電話の利用に気を取られ強盗や車のひき逃げ事件などが起きていることに気付かない例は珍しいことではないと指摘。今後もこの種の事例は続くだろうと予想している。隣りに立っている人物が銃を引き出したとしても自らの安全確保のために知りたくはないとも思うだろう、とも述べた。

米国では、携帯電話のメール処理に気を取られていた女性がショッピングモール内の噴水池に落ちたり、携帯から目を離さなかった男性が路上を逃走する「クマ」の方向へうっかり歩いていった例も起きている。

スマホに没頭の乗客、銃構える殺人犯に気付かず

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