ビジネス界に広がるコーチング 英企業の8割が導入

どんな名選手にもコーチは必要!?

2012.11.16 Fri posted at 18:04 JST

(CNN) ビル・クリントン元米大統領にも、米人気司会者のオプラ・ウィンフリーにもコーチがいた。スポーツ界のスター選手たちは言うまでもない。コーチングの効用は近年、ビジネス界でも広く認められ、多くの企業が導入している。

英国のリーダーシップ・マネジメント研究所(ILM)が最近、国内企業250社を対象に実施した調査によると、コーチングの手法を使っている、または使ったことがある企業は全体の80%を占め、さらに今後使う予定だと答えた企業も9%に上った。

ILMのデービッド・パーディー氏は「不景気のさなかの調査にもかかわらず、コーチングがここまで普及していたことに驚いた」と話す。

厳しい経済情勢の下でも企業のコーチング熱が衰えないことは、英人材能力開発研究所(CIPD)が2009年に発表した研究結果からもうかがえる。調査対象の7割が、コーチング制度の拡大または維持を表明していた。

パーディー氏によると、コーチングは人々の能力を最大限に発揮させるための手段だ。一人ひとりが最高の成果を出すことは、企業にとっても非常に大きな意味を持つ。ILMの調査では、コーチングを導入している企業の95%が、コーチングは個人だけでなく組織全体にも有益だと答えた。

ただ、導入にあたっては注意すべき点もある。まず重要なのはコーチの資質の問題だ。現時点では基準が明確でないため、だれでもコーチを名乗ることができる。もうひとつ、コストの問題もある。コーチングは決して安くない。

こうした問題点を考慮して、自前のコーチを養成する企業も目立つ。ビジネス・コーチングの世界で今、最も勢いよく伸びているのがこのパターンだという。パーディー氏は「人材を育成すれば、その恩恵は長年にわたって続く。内部のメンバーが他のメンバーの能力を引き出し続けるという流れは、成功する組織の大きな特徴だ」と説明する。

英ドンカスター大学は、まさにそのやり方で成功した。

現学長のジョージ・トロー氏が就任した当時、同大学は5年間で学長が7人も交代し、学生の成績も財政状況も良好とはいえなかった。そこでトロー氏は学内の管理職70人にコーチングの訓練を受けさせ、内部から10人のコーチを養成した。それからほぼ3年。学生たちの成績は目覚しい伸びを示し、財政状況もすっかり健全化しているという。

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