EU、科学者誘致に800億円拠出 米の科学政策を批判

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ソルボンヌ大のイベントで演説するマクロン大統領=5日、フランス・パリ/Gonzalo Fuentes/Reuters

ソルボンヌ大のイベントで演説するマクロン大統領=5日、フランス・パリ/Gonzalo Fuentes/Reuters

ロンドン(CNN) 欧州連合(EU)は、「欧州を研究者にとって魅力的な場所にするため」、今後3年間で5億ユーロ(約800億円)を拠出する。これは、トランプ米政権が進める研究資金の削減や科学政策の変更を受けたもの。

フランスのマクロン大統領は、EUのフォンデアライエン欧州委員長とともに登壇し、「世界最大の民主主義国の一つ」による数百件の研究助成金の取り消しといった行動を批判し、「間違い」と指摘した。

マクロン氏とフォンデアライエン氏はフランス首都パリにあるソルボンヌ大学で開かれた「科学のために欧州を選んで」と名付けられたイベントで発言した。

フォンデアライエン氏は「残念ながら、今日の世界における科学の役割が疑問視されているのを目の当たりにしている。基礎研究や自由研究、オープンな研究への投資が疑問視されている」と述べたが、米国には言及しなかった。

こうした発言は、トランプ大統領がホワイトハウスに復帰して以降、米国の科学政策に起きた一連の変更を受けたものだ。

例えば、連邦機関の米国立科学財団(NSF)は先月、数百件にわたるプログラムに対する助成金を打ち切ると発表した。そうしたプログラムのなかには、DEI(多様性・公平性・包摂性)やワクチン情報の完全性、誤情報、偽情報に関する研究が含まれる。

NSFはウェブサイトで、トランプ大統領が署名した「言論の自由の回復」に関する大統領令に反する誤情報の研究に対する資金提供を停止すると発表した。

フォンデアライエン氏は「開かれた自由な」科学は欧州の「象徴」だと述べた。「我々は、これまで以上に、科学を守るために、あらゆる努力をしなければならない」

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