イスラエル空爆で87人死亡 ガザ北部
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区ベイトラヒアで19日夜、イスラエル軍による空爆が複数の建物に対して行われ、ガザの保健省によれば、少なくとも87人が死亡した。
保健省によれば、これまでのところ27人の遺体が収容されたほか、60人の遺体ががれきの下敷きとなっている。40人以上が負傷し、重体のけが人もいるという。
凄惨(せいさん)な映像には、死者の中に複数の子どもがいるほか、多くが重傷を負っている様子が捉えられている。別の映像には、病院に置かれた遺体袋と悲しむ親族の様子が映っている。
現場にいた身元不明の男性は20日午前、破壊された4件の家屋に避難民がいたと語った。男性は、自身らは民間人だとして、国際社会に対して戦争を止めるよう求めた。
CNNは今回の攻撃をめぐり、イスラエル軍に対し、改めてコメントを求めた。イスラエル軍は先に、73人が死亡したとするガザ当局の報告について誇張されたものだとして否定し、「正確かつ的を絞った方法」で軍事作戦を実施していると述べていた。
カマルアドワン病院の院長はCNNの取材に対し、多くの人々が死傷して病院に搬送されてきたが、病院は医療スタッフと物資の深刻な不足に直面していると述べた。院長によれば、負傷者は治療が受けられず命を落とす危険性があるという。
国連のウェネスランド特使(中東和平担当)は声明で、空爆に対する恐怖を表明し、「ガザの悪夢が激化している」と述べた。特使は、紛争やイスラエルの容赦ない攻撃、悪化する人道危機のなかで、ガザ北部で恐ろしい光景が広がっていると指摘。「民間人はどこにいても保護されなければならない」とも述べた。
ガザの保健省によれば、昨年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエルへの奇襲以降、ガザでは4万2000人以上が死亡している。