ウクライナ軍、ロシアの82集落を制圧 司令部設置も
(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は15日、ロシアに越境攻撃をかけているウクライナ軍がロシア・クルスク州の町スジャを制圧したと明らかにした。
ウクライナ軍はクルスク市の南西105キロメートルに位置するスジャに7日から部隊を展開しているが、ゼレンスキー氏は初めてスジャ制圧を認めた。
ウクライナ軍トップのシルスキー司令官が明らかにしたところによると、同軍は奇襲となった越境攻撃を開始してから、ロシア軍の防衛を破って35キロメートル前進し、82集落を制圧。面積にして1150平方キロメートルの地域を支配下に置いたという。スジャに軍司令部を設置したことも明らかにした。
スジャ近くには天然ガスの施設がある。この施設からロシア産の天然ガスがウクライナ経由で欧州に供給されている。このため、越境攻撃の目的の一つはロシアの資金源を断つことではないかとの見方がある。
越境攻撃により、ロシア側では住民数万人が避難を余儀なくされ、ロシア軍はウクライナ軍を撃退しようと奔走する中、劣勢に立たされている。
ウクライナ軍は14日にはロシアの飛行場4カ所をドローン(無人機)で攻撃した。ウクライナ側のこの種の攻撃としては今回の戦争で最大という。同国の情報筋はCNNに、今回のドローン攻撃では南西部のクルスク州とボロネジ州、首都モスクワの東に位置するニジニノブゴロド州にある4つの基地を狙ったと明らかにした。
ロシア国防省は、クルスク州や近隣の州で「航空機タイプ」のドローン117機と戦術ミサイル4発を破壊したと発表した。
外国の軍隊がロシア領に入るのは第2次世界大戦後初めてで、クレムリン(ロシア大統領府)にとって大きな失態となる。