ガザを南北に二分するイスラエルの道路、地中海に到達 衛星画像分析

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ガザを南北に二分する道路、地中海に到達

(CNN) イスラエル軍が建設中のパレスチナ自治区ガザ地区を南北に二分する道路が地中海岸に到達したことが、CNNによる衛星画像の分析で明らかになった。イスラエルの当局者によると、今後数カ月、場合によっては数年にわたってガザを管理する治安計画の一環だという。

3月6日の衛星画像には、ガザ地区を東西に走る建設中の道路が写っている。道路はガザ地区とイスラエルの境界を起点に幅約6.5キロの地区内を突っ切り、ガザ市を含む地区北部と南部を分断。CNNの分析によると、約2キロは既存の道路を含むが、残りは新設された道路とみられる。

イスラエル国防軍(IDF)はCNNに対し、「一帯に作戦の足場」を設け、「兵たん設備や部隊の通行」を可能にする目的で道路を使用していると説明。工事の完了についての質問には、この道路は戦闘開始前から存在しており、装甲車で損傷したために「修理」を行っているところだと話した。

イスラエルのネタニヤフ首相は先月23日、戦時内閣に対し、イスラム組織ハマス追放後のガザの構想を公表した。そこにはガザ地区の「完全な武装解除」や、治安・民政・教育の体制を刷新することも含まれる。

ガザ地区に住むパレスチナ人からは、イスラエルに占領されていた2005年以前の時期を念頭に、戦後の治安計画で移動の自由をさらに制限されることへの懸念が出ている。05年当時は村と村の間に検問所が置かれ、入植地同士やイスラエル領との間をつなぐ専用のバイパス道路が建設されている状態だった。

イスラエル国防軍がガザ地区に建設中の道路「ネツァリム回廊」が地中海岸に到達したことを示す衛星画像。ガザ地区を南北に二分している
イスラエル国防軍がガザ地区に建設中の道路「ネツァリム回廊」が地中海岸に到達したことを示す衛星画像。ガザ地区を南北に二分している

この道路はかつてガザにあったイスラエルの入植地の名前を取って「ネツァリム回廊」と名付けられている。ガザ地区を南北に走る主要道路2本の一つ「サラハディン通り」と交差し、戦略的な中央交差点を形成する。衛星画像からは、地中海沿岸を走る「ラシード通り」と接続している様子もうかがえる。

パレスチナ人はCNNに対し、2005年以前に存在した「ネツァリム交差点」を思い出させると語った。当時の交差点はほぼイスラエルの入植者しか使用できなかった。

イスラエルのシクリ・ディアスポラ相によると、道路は少なくとも1年間使用される見通し。3本の車線からなり、1本は重戦車や装甲車、1本はより軽量の車両、もう1本は高速移動に使用される。「ネツァリム回廊」を使えば、ガザ地区に近いイスラエルのキブツ(農業共同体)から地中海まで車で7分で移動できるようになる可能性があるという。

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