COP28、化石燃料巡る文言で合意遅れ 会期末の期限過ぎる

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COP28のUAEのジャベル議長/Sean Gallup/Getty Images

COP28のUAEのジャベル議長/Sean Gallup/Getty Images

ドバイ(CNN) アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)は最終日の12日夜になっても最終合意に至らず、会期末の期限を過ぎた。化石燃料の扱いで大きな隔たりがあり、気候変動に対応するより野心的な文言を盛り込むかを巡り、交渉は大詰めを迎えている。

11日に公表された最終合意案では化石燃料の「段階的廃止」の文言が消え、一部の国や気候変動対策の支持者から怒りや不満の声があがった。化石燃料の段階的廃止は、100以上の国が何らかの形で支持を表明している。

合意案では温暖化ガス排出の削減に向けて各国が取りうる行動の一覧が示され、その一つに石油や石炭、天然ガスの消費と生産の削減が含まれている。

会議を主導するUAEのジャベル議長は12日午前に期限を設定したがまとまらず、会議終了予定時刻の午後6時も過ぎた。

過去のCOPでも延長になる例は多いが、今回は石油利権の影響で交渉プロセスが軌道に乗らないとの批判があり、緊迫感に満ちている。

ジャベル氏はアブダビ国営石油会社の経営者で、同社は石油や天然ガス生産事業を拡大している。ジャベル氏は利益相反に当たるとの批判を受け付けず、プロセスの透明性を保つと約束している。

石油輸出国機構(OPEC)のガベル事務総長は先週、加盟国などに対し、化石燃料の使用削減を目指す文言は「積極的に拒絶」し、代わりに「排出」に焦点を当てる文言を支持するよう求めた。

非営利団体(NPO)「デスティネーション・ゼロ」によると、サウジアラビアやイラクは段階的廃止への言及を嫌うグループに含まれる。クウェートの国営通信KUNAも、同国の代表団は段階的廃止の拒絶を「再確認」したと報じた。

ゴア元米副大統領を含む気候変動対策の支持者らは、11日のX(旧ツイッター)への投稿で、会議は「完全な失敗の瀬戸際」にあり、特にOPECが原因の一つだと指摘した。

欧州連合(EU)の代表団は同日、島しょ国を含む「高い野心連合」の参加国と会合を開き、国連のグテーレス事務総長とも協議した。EUの気候政策責任者ウォプケ・フクストラ氏は会合後に記者団に対し、会議に参加する圧倒的多数の国々が、産業革命以前より1.5度以上の温暖化を避ける合意でより大きな野心を盛り込むことを期待していると話した。

オーストラリアの一部メディアは同国のボーエン気候変動相の発言として、米、英、カナダ、ノルウェーを含む「アンブレラグループ」は現状の合意案に署名しないと報じた。

英国はCNNの取材に、こうした動きについて確認を避けたものの、政府の報道官は「気候目標の達成に向け、衰えない化石燃料の段階的廃止は必要」との姿勢を明確にしている。

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