死者3000人に迫る、歴史的建造物も破壊 地図と写真で見るモロッコ地震の惨状
(CNN) 北アフリカのモロッコを襲った8日深夜の巨大地震。死者は3000人に迫り、町や村が壊滅状態となり、がれきをかき分けて生存者を探す作業が続けられている。被害の全容はまだつかめていない。
特にアトラス山脈のふもとに位置するアルホウズ州では大きな被害が出ている。負傷者や行方不明者は数千人に上り、捜索救助隊は何日もかけて山奥の被災地に到達しようとしている。歴史的建造物やモスクなども大きなダメージを受けた。
12日までに確認された死者は2900人を超え、負傷者は5500人以上に上る。死者は今後も増える見通し。内務省の10日の発表によると、犠牲者の約60%はアルホウズ州で死亡していた。
米東部時間2023年9月10日時点の地域別データ。最終更新は米東部時間9月12日午前10時/Sources:State media 2M, US Geological Survey, High Commission for Planning of the Kingdom of Morocco Graphic: Lou Robinson, CNN
国際災害データベースのEM―DATによると、モロッコでこれほど多くの死者を出した地震は約60年ぶりだった。地震の規模を表すマグニチュード(M)6.8は、この100年あまりで最大だった。
北アフリカで発生した地震による死者の数は、1900年以来で2番目に多い。
モロッコで1960年に起きたM5.8の地震では、少なくとも1万2000人が死亡、2万5000人が負傷した。1980年にはM7.1の地震と津波がアルジェリアを襲い、2600人以上が死亡した。
12世紀に建造されたマラケシュのシンボル、クトゥビーヤ・モスク(高さ77メートル)は地震で激しい揺れに見舞われたが、週末にかけて倒壊は免れていた。
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市内の広場の一画にあったモスクはほぼ全壊。尖塔(せんとう)は崩れ落ち、レンガのがれきの山と化した。
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900年の歴史をもつ「マラケシュの壁」は大きな亀裂ができ、一部が崩れ落ちた。
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ティンマル村を見晴らすティンマルモスクは、12世紀のアルモハド建築の代表的な建造物だった。しかし同モスクも損傷が激しく、壁も建物も廃虚と化した。
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